あらゆる可能性を信じて(All Possible Paths): マリーナベイ・サンズのリチャード・ファインマンの好奇心あふれる人生あらゆる可能性を信じて(All Possible Paths): リチャード・ファインマンの好奇心あふれる人生

あらゆる可能性を信じて(All Possible Paths): リチャード・ファインマンの好奇心あふれる人生

2018年10月20日〜2019年3月3日
人生のあらゆる可能性を探究し続け、多くの発見によって私たち人類の未来に大きな影響を与え続けているノーベル賞受賞者、リチャード・ファインマン。その大いなる好奇心の世界に触れてみましょう。

アートサイエンス・ミュージアムのキュレーションによる本展示では、ノーベル物理学賞受賞者リチャード・ファインマンの輝かしく多面的な人生をご紹介します。本展はシンガポールのナンヤン理工大学(NTU)とスウェーデンのノーベル博物館の協力のもと、シンガポール国立大学の量子技術センター(CQT)の後援を受けて開催されます。

『あらゆる可能性を信じて』は、20世紀で最も影響力のある物理学者、リチャード・ファインマンの生誕100周年を記念する展覧会です。ファインマンは、量子力学で偉大な功績を残したアメリカ人物理力学者で、近代物理学をはじめ、現在の日常生活に見られるさまざまなテクノロジーの進歩の基礎を築き上げました。1965年、ノーベル賞を受賞したファインマンの業績は、その後の物理学者の考え方を一変させました。

『あらゆる可能性を信じて』は、ファインマンの功績が現代の生活に及ぼしている影響の大きさを伝えるため、アートとサイエンスの両方に目を向けるだけでなく、現代的で印象的な展示デザインも取り入れています。強烈な好奇心と慣習にとらわれない自由な発想を武器に、アートや音楽なども含め、あらゆる可能性を探究し続けたファインマンの人生をひもときます。今回の展示会では、個人的な手紙や家族の写真、愛用していたことで有名なボンゴ(アフリカの太鼓)、自作の絵画など、貴重な遺品の数々が米国外で初めて展示されます。

展覧会の中心となるのが、ジュン・オング、フレデリック・デ・ヴィルデ、隅英二、::vtol::、エドワード・タフテをはじめとする現代アーティストたちが手がけるアート展示です。インスタレーション、立体作品、そして体感型のバーチャル展示を通じて、ファインマンの科学の世界の奥深くへと、来場者を引き込んでいきます。

テーマごとに4つのセクションに分かれたこの展示は、近代の歴史の中で最も偉大な科学者の世界へと誘い、ファインマンの発見が私たちの自然に対する理解をいかにして根底から覆したかを明らかにします。

『あらゆる可能性を信じて』は、リチャード・ファインマンの生誕100周年を記念して開催される展覧会です。今年、カンファレンスやフェスティバルなどの記念行事が世界各国で開催されます。NTUで開催される大規模な科学会議、『Richard Feynman at 100』(10月22日〜24日)もそのひとつです。

リチャード・ファインマンの好奇心あふれる人生をたどって
リチャード・ファインマン
ボンゴドラムを持つリチャード・ファインマン(1956年、写真提供:Caltech Archives)
リチャード・ファインマン
講義を行うリチャード・ファインマン氏(1963年、写真提供:Caltech Archives)
波は私の本性 リチャード・ファインマン
::vtol::、「wave is my nature」、2015年、ミクストメディア インスタレーション(写真提供:アーティスト)
リチャード・ファインマンの肖像イラスト
リチャード・ファインマンの肖像イラスト
エッセイとアクティビティシート
ファインマンの生誕100周年を記念し、ファインマンの友人や同僚が彼の思い出を綴ったエッセイを寄稿しています。エッセイはダウンロード可能です。
 
インタラクティブ展示
プログラム

公式ガイドツアー

英語公式ガイドツアー
ファミリーフライデー 2月1日、8日、15日、22日、3月1日 | 午後3時~3時45分
2月2日、9日、16日、23日、3月2日の各土曜日 | 午後5時~5時45分
2月3日、10日、17日、24日の各日曜日 | 午後5時~5時45分
3月3日(日曜日) | 午前11時30分~午後12時15分および午後5時~5時45分

北京語公式ガイドツアー
2月16日、23日、3月2日の各土曜日 | 午後2時30分~3時15分
2月17日、24日、3月3日の各日曜日 | 午後2時30分~3時15分
会場:展示場入口、地下2階

リチャード・ファインマンの思考をたどるガイドツアーに参加し、現代の科学界で最も活気ある領域の原点をもたらした思考の秘密を探ります。

*ファインマン展のチケットをお持ちのお客様は無料。先着順で25名様までご参加いただけます

ファインマンと探るナノの世界!

ファミリーフライデー 2月1日、8日、15日、22日、3月1日 | 午後4時30分~5時30分
会場: 会場:レインボールーム、地下2階

不思議なナノの世界を探検できる、体験型ワークショップです。身近にあるナノサイズの文字をお友達と一緒に探して、お友達から送られてくる暗号の解読に挑戦してみましょう!
*参加料金は1名様5シンガポールドル。先着順で20名様までご参加いただけます。

ワークショップのご予約はこちらから

「QUANTUM SHORTS」
2019年2月22日、24日~26日、3月2日、3日
午前10時~午後7時(連続上映)
Expression Gallery(4階)
入場無料


量子物理学からインスピレーションを得た短編映画や、量子物理学に関連するテーマの短編映画のQuantum Shortsが今年も開催されます。この映画祭は、プロ、アマチュアを問わず量子物理学に関する自分のストーリーを語りたいというモチベーションを持った映像作家による、ストーリー性のある作品や抽象的な作品を取り上げます。

アートサイエンス・ミュージアム提供、シンガポール国立大学量子技術センター主催にて、第7回Quantum Shortsを開催いたします。Quantum Shortsは2012年に開始され、毎年交互にサイエンスフィクションとサイエンスフィルムを募っています。

こちらをクリックして最終選考に残った10作品について参照し、ピープルズ・チョイスアワードとして、お気に入りの作品にこちらから投票してください
詳細はFacebookのイベントページをご参照ください。

QUANTUM SHORTS特別イベント: トーク&パネルディスカッション
2019年2月23日
午後2時~4時
Expression Gallery(4階)
入場無料、登録不要

映画で見る量子物理学にご興味はありますか? 量子物理学短編映画祭(QUANTUM SHORTS)の審査員、ダゴミール・カシュリコウスキー博士とマイケル・ブルックス博士とともに、魅力的な概念について学びましょう。

最終選考作品10作品を鑑賞後、シンガポール在住最終選考通過者であるトマス・テイ(『Slide!』監督)とチェン・ペイシャン(『Heads or Tails』脚本)が参加する興味深いパネルディスカッションをジェニー・ホーガンの司会でお楽しみください。

講演者
ダゴミール・カシュリコウスキー博士(CQT主任調査官、シンガポール国立大学准教授、映像作家)
マイケル・ブルックス博士(作家、ジャーナリスト、アナウンサー)

パネリスト
トマス・テイ(『Slide!』監督)
チェン・ペイシャン(『Heads or Tails』脚本)

司会
ジェニー・ホーガン(CQT、アウトリーチおよびメディア広報副参事)

プログラム
午後2時~2時5分:アートサイエンス・ミュージアム挨拶
午後2時5分~2時10分:量子物理学短編映画祭(QUANTUM SHORTS)の紹介
午後2時10分~2時30分:マイケル・ブルックス博士
午後2時30分~2時50分:ダゴミール・カシュリコウスキー博士
午後2時50分~3時30分:試写会
午後3時30分~4時:パネルディスカッション、質疑応答

協賛

『あらゆる可能性を信じて』は、量子技術センター、カリフォルニア工科大学、ミシェル・ファインマンの協力のもと、アートサイエンス・ミュージアム、ナンヤン理工大学、ノーベル博物館のコラボレーションを通して実現しました。

 

ナンヤン理工大学

シンガポールのナンヤン理工大学(NTU)は研究活動に特に力を入れている公立大学です。工学部、商学部、理学部、人文芸術社会科学部の学部と大学院、さらには学際的研究大学院を持っており、学部生・院生を合わせた学生の総数は33,000人にも及びます。また、医学部として、Imperial College Londonと共同で設立したリーコンチャン医学校も傘下に置いています。

NTUは、国立教育研究所、S Rajaratnam School of International Studies、地球観測所、環境生物科学工学センターなど、世界レベルの独立研究機関も数多く抱えています。また、ナンヤン環境水処理研究所(NEWRI)やナンヤン理工大学エネルギー研究所をはじめ、様々なトップクラスの研究センターも運営しています。

世界大学ランキングで12位になったNTUは、過去5年間、新しい大学としては世界のトップにランクインし続けています。また、NTUのメインキャンパスは、世界の美しい大学キャンパスのランキングでもほぼ毎年15位以内にランクインしています。



ノーベル博物館

ノーベル賞受賞者たちの勇気、創造性、そして継続力は、私たちに感動を与え、私たちの未来に希望をもたらしてくれます。ノーベル賞は、自然科学部門から文学賞、そして平和賞まで、幅広い分野を対象としているユニークな賞です。そんなノーベル賞の特徴を生かして、ノーベルセンターc/oでは私たちが生きる今の時代を取り巻く大きな問題をテーマにした展覧会や学校プログラム、講演会、討論会などを開催しています。

過去20年間、ノーベルセンターc/oは世界中で巡回展を開催してきました。そして、世界各国の教師の皆さんの協力のもと、好奇心にあふれた数多くの子供たちと交流してきました。同センターは、オスロとストックホルムでの展覧会や国際会議、デジタルチャンネルやアクティビティを通じて、人々の交流を促進していきたいと考えています。そして、現状の打破を試み、新たな問いを投げかけ、新たな発想で思考し、より良い世界を実現するために力を尽くしたいと考えている人々の交流の促進を目指しています。




量子技術センター(CQT)

量子技術センター(CQT)は、シンガポールのリサーチ センター オブ エクセレンスのひとつです。このセンターには、物理学者、コンピューター科学者、エンジニアなどが集結し、量子物理学に関する基礎研究や、量子現象に基づく装置の作成に取り組んでいます。量子技術というこの新たな分野の専門家たちが、その研究成果をコンピューター、通信、センシングといった分野に応用しています。

CQTは、シンガポール国家研究基金とシンガポール教育省の支援を受けて2007年12月に設立されました。シンガポール国立大学によって運営されており、ナンヤン理工大学とシンガポール工科デザイン大学にもスタッフが在籍しています。

提供元
Caltech

Caltech(カリフォルニア工科大学)は、世界的にも有名な科学技術大学です。最も革新的なツールを備えたこの大学には、世界最高の知力が集結し、基礎科学の研究や喫緊の社会的課題の解決に取り組んでいます。Caltechでは、優秀な教授陣と学生たちが、量子科学からエンジニアリング、生命情報科学、生命の本質、人間行動学から経済学、エネルギー、そしてサステナビリティまで、幅広い分野にわたる研究を展開しています。そして、この世界に対する理解を押し拡げるとともに、未来の技術を発明しています。

Caltechは小さな組織ですが、高度な目標を掲げ、質の高い研究を推進しています。Caltechの教授陣と学生たちの研究は、米国内外で高い評価を獲得しています。そして、38名ものノーベル賞受賞者を輩出しています。NASAのジェット推進研究所(JSL)もCaltechに所属しており、太陽系内の惑星探査を行う探査装置を宇宙に送り込んだり、地球の変化の定量的観測を行ったりしています。また、地震研究所などの大規模な研究施設も運営しており、パロマー天文台やW・M・ケック天文台などで構成される世界的な天文台ネットワークを構築しています。さらに、2016年に世界で初めて重力波の観測に成功したLIGOの共同開設者・運営者でもあります。


リチャード・ファインマンの娘ミシェル・ファインマンは、この展覧会の実現において重要な役割を果たしました。ミシェルは、個人的な手紙や家族の写真、ボンゴ、絵画など、父リチャードの遺品の多くをこの展覧会のために貸し出してくれました。