講演会・ギャラリートーク
リム・チョン・キート、フラーについて語る
包括主義者(comprehensivists)としての共通の哲学について、フラーの人生最後の12年間に彼が築いた東南アジアとの関係などについて深く知るとともに、チャンプアン・ミーティング、KOMTARのDewan Tunku Geodesic Domeなどでのリム氏とのコラボレーションについて話を聞きます。
ジャン・ ホウシン(アートサイエンスミュージアムキュレーター、一般公開プログラム担当)がモデレーターを務める『Radical Curiosity』展の最後を飾るこのプログラムは、発明家であり思想家であったリチャード・バックミンスター・フラーの意義深い遺産について考察するオンライン講演シリーズの一環として開催されます。
登壇者について
リム・チョン・キート(建築家)
リム・チョン・キートはシンガポール独立後の建築史におけるパイオニア的存在であり、東南アジアに数々の優れた遺産を残しています。自身の会社であるMalayan Architects Co-partnershipとArchitects Team Threeのもとで手がけた一連の作品には、シンガポール国内ではシンガポール・カンファレンスホール、ジュロン・タウンホール、マレーシアでは、スレンバンのヌグリ・スンビラン州立モスク、ペナンのKOMTARタワーなどのモニュメントやランドマークがあります。
また、シンガポール建築家協会の設立では中心的な役割を果たし、第3代会長に就任、その他にも住宅開発庁、シンガポールの国家都市計画に関するUN調査委員会などで委員を務めました。著名な実務家である一方、シンガポール初の建築学校の設立に携わり、シンガポール・ポリテクニック建築学科の最初の卒業生の講義を受け持ちました。
リム氏は国際的にも重要な活躍をしています。旧英連邦諸国建築家協会連盟の運営委員会の会員であり、同連盟の建築教育委員会の前委員長を務めています。また、アジア建築家評議の創設者兼会長でもあります。
リム氏は建築での功績に留まらず、アート、音楽、民俗学、植物学など、幅広い分野における興味と知識を有する博識家としても知られています。