展覧会の概要
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カルティニ・オマー
シンガポールでは、生息地としての草地が都市化により消えつつありますが、ジュロンレイクガーデンズのような空間にはこうした草地が存在しています。カルティニ・オマー氏(シンガポール国立公園庁公園開発およびジュロンレイクガーデンズ担当グループディレクター)が注目しているのは、草の種を餌にし、草むらを隠れ場所にしているセッカやミフウズラのような多くの小鳥類にとって、起伏のある開けた草地がどれほど重要な生息地であるかということです。シンガポールの中心部にある新しい国立公園が「自然の中の都市」というビジョンによって形成された経緯について、詳しく知ることができます。
草地の写真
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ジュロンレイクガーデンズの草地
写真クレジット: 国立公園庁(NParks) -
ジュロンレイクガーデンズの草地
写真クレジット: 国立公園庁(NParks)
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ショーン・ラム博士
シンガポールの原生熱帯雨林が最大級の規模で残っているブキ・ティマ自然保護区には、手つかずの自然が豊かに広がっています。鳥類146種、チョウ類63種、哺乳類34種、植物1,250種など、その生物の多様性は驚くほどです。常駐種を観察し、ショーン・カイヘクラニ・ヤマウチ・ラム博士(熱帯雨林生態学者、南洋理工大学アジアン・スクール・オブ・エンバイロメント主任講師、シンガポール自然協会会長)から生物の魅力的な生活史を学びましょう。シンガポールの森林の写真
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成熟した二次林、セントラルキャッチメント自然保護区
写真クレジット: 国立公園庁(NParks) -
ブキ・ティマ自然保護区の原生林
写真クレジット: 国立公園庁(NParks)
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レオン・ツィ・ミン博士
シンガポール全島、森林、芝地、公園や都市空間に25種ほどのコウモリが生息していることをご存知でしたか? コイヌガオフルーツコウモリ、ジャワアブラコウモリ、ヨアケオオコモリが当地では一般的に見られます。レオン・ツィ・ミン博士(自然主義者、ネイチャーガイド)が、飛行性哺乳類がシンガポールの自然生態系の中でいかに不可欠な一部であるか、受粉や種子散布、昆虫個体群管理を行うことによっていかに重要な役割を果たしているかに注目します。
シンガポールのコウモリ種
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ジャマイカフルーツコウモリ
写真クレジット: ダニエル・ウン -
コイヌガオフルーツコウモリ
写真クレジット: FBショーン・スパイカーマン
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ウン・ジィー・キアット
私たちの足下に隠れている広大な真菌ネットワークは、サステナビリティ、食の安全性、贅物文化保全、気候変動において強力な味方です。ウン・ジィー・キアット氏(マイコロジカルアーティスト、ビーワイルダー社創設者)は、独学で菌類を研究し、菌類との協力関係を通して芸術、デザイン、科学を横断的に模索。自らの研究の中でマイコマテリアル、マイコプロテイン、マイコペスティサイドを用いた実験を行い、菌類が地球を癒やし、よりサステナブルな未来を創出するいろいろな方法を模索することを目指しています。
シンガポールのキノコ
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Phallus multicolor (Berk. & Broome) Cooke
写真クレジット: セレーナ・リー(国立公園庁) -
Mycena chlorophos (Berk. & M.A. Curtis) Sacc2
写真クレジット: セレーナ・リー(国立公園庁) -
Boletellus_emodensis (Berk.) Singer2
写真クレジット: セレーナ・リー(国立公園庁)
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ジョン・チョン
小さな生き物とはいえ重要な送粉者であるミツバチは、食物生産の健全な生態系の維持に役立つ存在です。ミツバチの個体数は、生息地の喪失や農薬使用などの要因により世界中で減少しつつあります。数少ないシンガポールの養蜂場の1つを開設したジョン・チョン氏(養蜂家、ビー・アメイズド・ガーデン創設者)の使命は、ミツバチにやさしい都市をつくること。その彼が、ミツバチの美しさ、よくある誤解、意義や、万人が実行できるミツバチ救済のシンプルな手順について話します。
シンガポールのミツバチ種
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アオマルハナバチ
写真クレジット: ショーン・スパイカーマン -
Amegilla andrewsi プラウウビン西部 ホナガソウ
写真クレジット: ゼスティン・ソー
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ネオ・メイ・リン博士
マッコウクジラと同様に、オオシャコガイは海洋環境における神秘の一つです。しかも、生態学上重要な役割を果たしています。造礁、海水濾過、食べ物と住処の提供というすべてが一つになった存在です。シンガポールのオオシャコガイの個体数は、過剰開発とサンゴ礁生息地の消失により1950年代から減少しています。「オオシャコガイ女子」と親しみを込めて知られているネオ・メイ・リン博士(海洋生物学者、シンガポール国立大学Tropical Marine Science Instituteシニアリサーチフェロー)は、シンガポールの有名なオオシャコガイを保存することに20年近く格闘しています。この威厳に満ちた生物について知識を深め、同博士率いるチームが海洋生態系を改善・保護する方法をどのように調査しているのかを学びましょう。
シンガポールの海洋生物
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セントジョンズアイランド国立海洋研究所のオオシャコガイ
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スポッテッドアネモネ & シュリンプ
写真クレジット: リサ・リム -
カブトガニ
写真クレジット: チェオ・ペイ・ロン
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ハリ・ビシュヌ博士
世界のその他の地域から地理的に離れているように見えることもある北極ですが、北極の薄い海氷は、アンデス山脈やヒマラヤ山脈の溶けつつある氷河や、シンガポールのような低地にある国の氾濫と無縁ではありません。私たちは皆、つながっています。北極は地球の健全性のバロメーターです。ハリ・ビシュヌ博士(海洋エンジニア、シンガポール国立大学Tropical Marine Science Instituteシニアリサーチフェロー)は、同博士と仲間の研究者たちが行っている溶けつつある氷河の音に関する調査について紹介し、この調査が、気候変動によって加速する海抜上昇の予測精度の向上にいかに役立つかについて説明します。
北極の写真
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写真クレジット: シンガポール国立大学マンダー・チトレ教授
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写真クレジット: シンガポール国立大学マンダー・チトレ教授
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氷内の気泡
写真クレジット: シンガポール国立大学マンダー・チトレ教授
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専門家の声
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ジュロンレイクガーデンズの草地
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夜行性動物の発見
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キノコは地球を救えるか?
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シンガポールに養蜂家はいるか?
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オオシャコガイ女子と共に私たちの海を保全
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溶けゆく氷河の音