「Movement in Space」
上映時間 – 62分22秒
1月18日~21日
上映開始時刻:毎日午前11時
本プログラムの作品は、パフォーマンス作品、政治的作品、個人的な作品における身体の中心性を反映しています。パフォーマンスをする身体は、個性、アイデンティティ、身体性の象徴でありうると同時に、コミュニティ、国、社会のメタファーとしての役割も果たしています。そのような身体の政治性を制圧、あるいは規制することを示唆しているのが、タナチャイ・バンダーサックの作品とジェイソン・ウィーの作品のパフォーマンスです。タナチャイ・バンダーサックの作品が過去に政治危機が起こった場所で草刈りをするという秩序だった行為を描いている一方で、ジェイソン・ウィーの作品は、期待、欲望、社会統制について、いくつもの意味にとれる曖昧で詩的なテキストを姿で表現しながら高速道路の下で一人で踊るアーティストに焦点を当てています。加藤翼の作品とマルクス・シンワルドの作品のパフォーマンスは、魅力と嫌悪を振付で表現します。それぞれ、自律と依存の間の緊張、本質的な相違を埋めることの困難を示しています。この他者との関わりの感覚は、副島しのぶのストップモーションアニメーションでもカギとなっています。同氏の作品では、人間性という複雑な道徳上の軸や、暴力の連鎖から逃れることの不可能性を、争う登場人物たちで客観化しています。ホウ・イーティンの作品とヨー・シュウホァの作品では、設定が重要な役割を担っています。ホウ・イーティンの作品では、人物像が、都市の歪みの中で実験的な観点の橋渡し役や尺度としての役割を果たしています。ヨーの作品では、廃墟となった施設が登場人物たちのステージへと超現実的に変容しています。登場人物たちが踊り、身体を動かして、変わりやすくも硬直した家族のあり方を表現し、さらに、人は誰でも完全に理解し得るかどうかを問いかけます。
タナチャイ・バンダーサック
「////////」、2019年
16mmフィルムをデジタル動画に変換
2分39秒
アーティスト提供
G指定
加藤翼
「Woodstock 2017」(2017年)
シングルチャンネル動画、カラー、音声
4分7秒
アーティスト、無人島プロダクション、チ・ウェンギャラリー提供
PG指定
Jason Wee
「Awkward」(2022)
シングルチャンネル動画
5分28秒
アーティスト、コチ=ムジリス・ビエンナーレ、ヤヴズギャラリー提供
G指定
ホウ・イーティン
「Neither of Us: The Relation of Non-Territory (Part 1)」(2013年)
シングルチャンネル動画
2分9秒
ホウ・イーティン(TKG+)提供
PG指定
副島しのぶ
「Blink in the Desert」(2021年)
ストップモーションアニメーション
10分32秒
©Shinobu Soejima、アートフロントギャラリー提供
PG指定
マルクス・シンワルド
「1st Part Conditional」(2004年)
35mm/デジタルベータカム
3分
©Markus Schinwald. All Rights Reserved.
PG指定
ヨー・シュウホァ
「The Wandering」(2022年)
動画
34分27秒
ヨー・シュウホァ提供
PG指定
画像キャプション:
映画スチール出典:「The Wandering」(ヨー・シュウホァ制作、2020年)、アーティスト提供