宇宙に対する人類のビジョン

展示の最初の部分は、世界中から集めた歴史的な宇宙論に焦点を合わせています。仏教徒、ヒンズー教徒およびジャイナ教徒の伝説に由来する宗教美術は、人類が、その最初期から世界が多次元であると捉えていた様子を示しています。竹取物語という、月からやってきたお姫様に関する大昔の日本の物語は私たちに、神話がどのように私たちの天空に対する認識を具体化する手助けをしたかを示しています。近代科学としての天文学の誕生は、7世紀から江戸時代に至る日本語の星座表、古代ペルシャおよびアラブ世界からの天文学の文書、ルネッサンス期の最も有名な天文学者ら- ガリレオ、ケプラー、ニュートンとコペルニクス- の初版傑作を含め、東洋および西洋から集めた注目に値する人工物のコレクションを通して示されます。 

 

このセクションで扱われるアート作品:

  • 仏教徒、ヒンズー教徒およびジャイナ教徒の宗教美術

  • 竹取物語:月からやってきたお姫様に関する大昔の日本の物語
 
  • 東洋および西洋の最も有名な天文学者らによる初版本: ナスィールッディーン・トゥースィー、ガリレオ、ケプラー、ニュートンおよびコペルニクス
  • 渋川春海によって記された日本最初の星図である「天文成象」など、東洋および西洋からの占星術の道具;ガリレオの望遠鏡のレプリカ 
 
  • 現代芸術家ローレン・グラッソの視点による、昔の人の宇宙観の表現、ならびに過去の研究

 


レリック・ストゥーパ
3または4世紀  |  インド
せっけん石
アジア文明博物館(シンガポール)のコレクション
版権所有:国立図書館局(シンガポール)

これはストゥーパ(仏舎利塔)のモデルであり、仏陀あるいは著名な修道士の遺物に捧げられた記念碑です。アショカ大王(紀元前268~232年頃)は、インド亜大陸の大部分を初めて統一した偉人で、その帝国中の84,000のストゥーパの中に仏陀の遺物を再分配したと言われています。直接ドームを通って地中に走ると想像された尖塔の先端は、世界軸 - 天界と地球を結び付けている宇宙の中心柱 - を象徴しています。 


竹取物語(かぐや姫の物語)

17世紀
巻物
國學院大學図書館所蔵(日本)

竹取物語は、10世紀中頃に溯り、宇宙に関する日本最古の散文物語であると考えられています。この巻物は、人々が月から来たと信じている、かぐや姫との遭遇を描写しています。当時、月は畏怖の対象であり、幻想の主体と考えられていました。竹取物語は未知の宇宙世界に関する神話を表しています。 


アストロラーベ
Abd al-A’imma  | 1700年頃  |  イスファハン(イラン)
真ちゅう
アジア文明博物館(シンガポール)のコレクション
版権所有:国立図書館局(シンガポール)

西暦紀元前220年頃にギリシャ人によって発明され、アストロラーベは3次元の天空域の回転を2次元で表しています。9世紀以降のイスラム教徒の科学者がこの例で見られる新しい特徴(三角法上の問題を解決する影の四角形、赤道上と黄道上の両方の座標系のためのマーキングを備えた普遍的なプレート、天空の物体の高度を計測する、アリダードと呼ばれる可動式ストレートエッジなど)を発見しました。

背面の献呈の辞には、このアストロラーベはイスファハン(イラン)にある「Abd al-A’imma)」 (イマームの奴隷)のワークショップで製作されたことが吉舎されています。30を超える道具と3つの日時計がそのワークショップの遺物で、正確さと優雅さによって知られています。 


De Revolutionibus Orbium Coelestium
(ラテン語で「天空の回転に関して」の意味)
ニコラウス・コペルニクス  |  1543年
初版
所蔵:金沢工業大学ライブラリーセンター(日本)

これは科学史で最も重要な本の1冊です。ポーランドの天文学者であるニコラウス・コペルニクス(1473~1543年)は、古代から広く受け入れられてきたクラウディウス・トレミーの天動説に代わる説を開示しました。コペルニクスは、太陽を宇宙の中心に置き、地球は惑星の1つとして天空を移動していると論じました。コペルニクスは、自分の考えが物議をかもすであろうことを予想して、この本を出版するために30年以上待ちました。コペルニクスの考えは実に革命的でした。コペルニクスの「地動説」はヨハンネス・ケプラーによる楕円形の軌道の発見と、アイザック・ニュートンによる万有引力の法則の発見によって更に発展されました。