遠くから見ると、有名なマリーナベイ・サンズホテルの3つのタワーはまっすぐな柱に見えますが、実際には26度の角度でわずかに傾斜しています。モシェ・サフディがインスピレーションを得たのはトランプのカード。曲線のデザインは、2枚のカードが互いにもたれあい三角形を作る様子を連想させます。
シンガポールを象徴するスカイラインの中でもひときわ目を引くマリーナベイ・サンズは、シンガポールが築いてきた歴史と先駆的な未来を美しく融合させた驚異の建築です。印象的な構造を特徴づけているのは、3棟のホテルタワーの頂上をつなぐ1.2ヘクタールのスカイパーク。その長さはエッフェル塔を上回ります。タワー建築の際には4日に1階分の高さずつ進められました。シンガポールのダウンタウンを見渡す3棟の57階建てホテルタワーは、高さ約191メートルです。
総面積120,000平方メートルを超える統合型リゾートは、3棟のホテルタワーと高さ200メートルの屋上に横たわる展望デッキとインフィニティプールで構成されています。それ以外にもマリーナベイ・サンズには、ミュージアム、4,000席の劇場が2つ、170を超える高級店やブランドショップが軒を連ねるショッピングモール、シンガポールを代表するレストランやバーが集まっています。 多目的に使えるエキスポ & コンベンションセンターにはアジア最大のボールルームの1つがあり、最大10,000人を収容できる屋外イベントプラザはスペクトラショー観覧のベストスポットです。
独創的な統合デザイン
指紋の曲線のようなスカイラインが、他のどんな都市とも異なるシンガポール独自のアイデンティティとなっています。シンガポールの5つ星ホテルの最高峰の1つであるマリーナベイ・サンズの力強いラインと洗練された曲線は、シンガポール居住者のみならず旅行者にも強い印象を残します。
建築家モシェ・サフディ設計のマリーナベイ・サンズは、「現代的なガーデンシティ」というシンガポールのコンセプトに調和するよう設計、開発されました。シンガポール海峡に面した美しいウォーターフロント沿いに位置する統合型リゾートには、多種多様な美しい建造物や相互に行き来できる公共スペースなどが集まり、古代ローマの都市にインスピレーションを得たアプローチで、市民生活の中心となっています。
複雑な曲線を描くタワー
芸術的な表現
世界で最も人気の場所の1つ、マリーナベイ・サンズは、ホテルに滞在するということの意味を再定義しました。57階建てのランドマークは、豪華な設備、最新のアメニティ、ワールドクラスのサービスホスピタリティで、多くのお客様やイベントを惹きつけ、迎え入れてきました。
多くの人が期待をふくらませるのが、ひときわ印象的なホテルの建築デザインです。この表現力にあふれる美が、アートと建築の境界線を果敢に薄れさせています。これは、建築物における公共の体験の中で、アートが重要な役割を果たすというサフディの建築デザイン哲学を示したものです。
サフディは、さらにこの哲学を体現するため、英国の彫刻家アントニー・ゴームリー、米国のコンセプチュアルアーティスト、ソル・ルウィット、中国の彫刻家ジャン・ワンなど、複数のアーティストにホテルに展示するオリジナル作品の製作を依頼しました。
遠くから見ると、ホテルは印象的な3棟のタワーの屋上に長いプラットフォーム状の突き出したテラスが載っている特徴的な外観です。屋上には、マリーナベイ・サンズでの思い出に残る旅の始まりにふさわしい、驚くべきアトラクションと、ここにしかない体験が待っています。
シンガポールのアイコン、インフィニティプール
贅沢の頂点にあるオアシスには、伝説的なインフィニティプールが待っています。まるで青い海のようにキラキラと輝く水面が美しい全長151メートルのプールの美しいデザインは圧倒的です。水に足をつけ、どこまでも限りなく続くかのように見えるプールの端まで泳いでみましょう。この魔法のようなイリュージョンがこのプールの洗練されたデザインのハイライトです。
泳いだ後は、座り心地の良いデッキチェアでよく冷えたドリンクを飲みながら、くつろぎのひとときをお過ごしください。太陽の光を浴びながら、眼下に広がる街の景色を眺め、リラックスした都会の休息をお楽しみください。有名シェフのウルフギャング・パックが率いるSpago Dining Roomではインフィニティプールを眺めながら、極上の雰囲気の中で創作カリフォルニア料理が楽しめます。
スカイパーク展望デッキ
スカイパーク展望デッキは、どこまでも続くシンガポールの美しい街並みが一望できる人気スポットの1つです。56階にある60メートル超の長さのデッキは、キャンタレバー構造の建築物としては世界最大です。
息をのむような景色だけでなく、この場所には、広々としたウォーキングエリア、ルーフトップレストラン、プライベートイベントや体験イベントのためのスペースなどがあり、さまざまな体験ができる共有スペースとしての役割も果たしています。
アートサイエンス・ミュージアム
美しいマリーナベイ・サンズのウォーターフロント沿いに位置するアートサイエンス・ミュージアムは、科学、文化、テクノロジーをクリエイティブに融合させた施設です。建物それ自体がアート作品でもあるこのミュージアムには、オープンなアトリウムを中心に2つの主要な展示スペースと21のギャラリースペースがあり、総面積は約5,000平方メートルに及びます。
建物の上部は、開いた蓮の花を模した彫刻的な美しい形状で、それぞれの「花びら」部分が展示スペースになっており、天窓から光が入る構造です。この特徴的な構造により、雨水が皿のような形状の屋根の中心にあるレイン・オクルスにたまり、そこから35メートルの滝となって流れ落ちる様子を中央のアトリウムからご覧いただけます。睡蓮の池の下は、ミュージアムの下層階になっており、もうひとつのギャラリースペース群があり、常設の展示「Future World:アートとサイエンスが出会う場所」には いつでも入場することが出来ます。
サステナブルなスタイル
環境への配慮はアートサイエンス・ミュージアムの内装や構造設計において当初から重要事項でした。屋根からの雨水は、小さな貯水池に集められ、造園や水施設の管理、トイレの水などに再利用されます。こうした節水の取り組みにより、毎年約1,400,000リットルの雨水がリサイクルされています。
その他にもサステナビリティ促進の取り組みとして、LED照明や節電照明システムの利用、全業務廃棄物の50%以上をリサイクルするという厳しい廃棄物管理戦略、ミュージアムのスタッフや来館者を対象としたサステナブルな実践についての啓発イベントなどを実施しています。
マリーナベイ・サンズへのアクセス
マリーナベイ・サンズはベイフロント・アベニュー10番地(10 Bayfront Avenue)に位置し、電車、バス、お車でのアクセスが便利です。マリーナベイ・サンズへのアクセス方法を参考に、建築を間近でご覧いただき、ご来場をご計画ください。
シンガポールで最もラグジュアリーなホテルの1つに宿泊し、この素晴らしい建築を実際に体験してみませんか。ご滞在中に、アートサイエンス・ミュージアムにご来館いただき、アートサイエンス・フレンズ会員になると、1年中何度でも入館ができ、優先入場や最新の展示の会員限定プレビューをご覧いただけます。
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