マリーナベイ・サンズアート遊歩道

マリーナベイ・サンズが世界中から訪れる観光客を対象にオープンしたのは2010年4月。その時に開通したアート遊歩道は、この道のために特別に委託されたアート作品8点でスタートしました。 高級統合型リゾートが初披露した最初のアート作品8点は、ネッド・カーンの「Tipping Wall」、「Rain Oculus」、「Wind Arbor」、アントニー・ゴームリーの「Drift」、ジェン・チョンビンの「Rising Fores」、ジェームズ・カーペンターの「Blue Reflection Façade」、ソル・ルウィットの「Wall Drawings #915」、「#917」です。

マリーナベイ・サンズの建築物を念頭に出品アーティストを監修したのは、世界に知られた建築家で、象徴的なマリーナベイ・サンズのタワーを設計したMoshe Safdieです。出品されたアート作品は、同氏のモダンでアヴァンギャルドな設計を引き立たせ、シンガポールの都市環境をコンテンポラリーな芸術性で高める助けになりました。この遊歩道は、アートを都市空間に組み込み、シンガポール居住者の間にアートとの関わりを推進する政府取り組みの一環として、政府の支援のもと発足しました。

現在、アート遊歩道では世界的に高評価を得たアーティストの大型アートインスタレーションと作品全11点を展示しているほか、非営利団体Art Outreach Singaporeが学校向けに定期アートツアーを開催しています。

マリーナベイ・サンズアート遊歩道にあるアートインスタレーション

アート遊歩道では、アーティストのビジョンから作品の背後にある創造的プロセスまで、各インスタレーション作品について詳しく学びます。マリーナベイ周辺で監修されたこの作品リストで、ユニークな彫刻やアートインスタレーションを見つけましょう。

 

Sky Mirror

アニッシュ・カプーア、2010年

Sky Mirror

この2.9m、重さ1,800kgのステンレス鋼製の彫刻とともに、アート遊歩道の冒険を始めましょう。静かな睡蓮の池に置かれたこの大きなアートインスタレーションは、カプーアが「空を地球に降ろす」と表現したもので、鑑賞者の手の届く範囲に空があるかのような錯覚を生み出すことを意図しています。このインスタレーションは、戦略として30度という角度で配置され、「Sky Mirror」が夕暮れ時の空とアートサイエンス・ミュージアムの象徴的な建造物の魅惑的な景色を映すようになっています。

「Sky Mirror」は、アートサイエンス・ミュージアム、睡蓮の池にあります。

Tipping Wall

ネッド・カーン、2011年

Tipping Wall

「Sky Mirror」からホテルタワー3に向かって少し歩きます。アートインスタレーション「Tipping Wall」は、自然要素と深く関わり合うインタラクティブで動的な構造物の制作に特化する環境アーティスト、ネッド・カーンがデザインしています。集められた雨水が流れると左右に傾く7,000を超える蝶番付き金属レールが付いたこの目を引くインスタレーションは、下の集水域まで伸びており、再利用されて魅惑的な動きの光景が続きます。

「Tipping Wall」は、ホテルタワー3にあり、ダブルへリックスブリッジに面しています。 

Wind Arbor

ネッド・カーン、2011年

Wind Arbor
Wind Arbor

「Tipping Wall」の向かいにある「Wind Arbor」は、ネッド・カーンのもう1つの魅力的な作品です。このウォールアートインスタレーションを構成する260,000のアルミニウムメタルフラップが陽光を捉えるとキラリと光り、静かに風にはためきます。6,800平方メートルのエリアに広がるこの芸術的傑作は、美しく機能的であり、ビルを遮光して涼しい状態を維持します。

「Wind Arbor」は、ホテルタワー3、「Tipping Wall」に対して直角に位置しています。

Drift

アントニー・ゴームリー、2010年

Drift
Drift

「Tipping Wall」の横にある入口からホテルタワーに入ると、「Drift」など数点の作品が置かれた広いロビーが出迎えてくれます。ホテルタワー1のアトリウムの上に漂う14.8トンという重さの「Drift」は、16,100本以上の鋼棒と8,320個以上の鋼製ノードで作られた巨大な3次元構造物です。おおよそ高さ23m、長さ40m、幅15mの巨大な鋼は、英国人彫刻家アントニー・ゴームリーの作品です。5階から12階までの空中に吊り下げられています。

「Drift」は、ホテルタワー1、アトリウムにあります。

Motion

イスラエル・ハダニ、2012年

Motion
Motion

魅惑的な「Drift」の下には、装飾としてだけではなく、お客様が休憩する実用的なベンチとしても機能するアートインスタレーション「Motion」があります。この作品はガラスと石で作られた2つの「島」で構成されています。ガラスから反射する光は、海の波から跳ね返った光の輝きを模したものです。ジュラベージュ石のベンチが縁取るガラス部材が、ホテルアトリウムの気取りのない豪華な雰囲気を引き立てています。

「Motion」は、ホテルタワー1、アトリウムにあります。   

Wall Drawing #917, Arcs and Circles

ソル・ルウィット、1999年

Wall Drawing #917

ホテルタワー1のレセプションエリアの静かな一画に隠れるように佇む「Wall Drawing #917, Arcs and Circles」は、「Motion」とは目と鼻の先にあります。ルウィットの2作品のうちの1つである「Wall Drawing #917, Arcs and Circles」は、アイデア自体が作品であり、アーティストは弟子または代理人が創作した作品の所有権を持ち続けることができるというルウィットの信念へのオマージュでした。そのため、両方とも指示に基づいた作品であり、作品の真正性を示す署名入り証明書が付いています。

「Wall Drawing #917, Arcs and Circles」は、ホテルタワー1、レセプションにあります。

Artificial Rock #71 and #86

ジャン・ワン、2010年

Artificial Rock #71 and #86

ホテルタワー1内で、ホテルロビー見下ろすライオンズブリッジまで進むと、抽象的な彫刻「Artificial Rock #71 and #86」を鑑賞できます。この彫刻は、学者たちがその美しさを高く評価する自然に生じる岩石である中国の共石からインスピレーションを得たものです。これらの岩石が周囲の変化を反射面でキャッチして、環境の流動性を体現します。

「Artificial Rock #71 and #86」は、マリーナベイ・サンズ、ライオンブリッジにあります。

Rising Forest

ジャン・チョンビン、2010年

Rising Forest

普通より大きくて目立つ陶製の鉢83個で構成された「Rising Forest」が、ホテルアトリウムの内外装を線引きしています。高さ3メートルの陶製の鉢を作るのに15~20日かかり、焼成には特別に作られた窯が必要でした。すべての鉢に木が植えられており、ホテルアトリウムに進む来館者の頭上に影を落とす「キャノピー」として、全体的な効果を発揮しています。

「Rising Forest」は、マリーナベイ・サンズ、ホテルアトリウムにあります。

Rain Oculus

ネッド・カーン、2011年

ホテルタワー2に向かって歩き、エスカレーターでザ・ショップスのB2階まで降りると、そこには、天窓兼雨水収集装置として機能している絵に描いたようなインスタレーション「Rain Oculus」があります。このインスタレーションは、一日のある時間帯に轟音を立てるワールプールに姿を変え、毎分6,000ガロンの水を放出します。その結果として見られる展示は驚くべき光景であり、ザ・ショップスで得られる最高の体験です。

来館者はサンパンライドで運河をクルーズして「Rain Oculus」を周回するなど、マリーナベイ・サンズでのエキサイティングなアクティビティをお楽しみいただけます。運が良ければ、滝を間近で見られるかもしれません。

「Rain Oculus」は、ザ・ショップス、B2階にあります。

Wall Drawing #915, #Arcs and Circles and Irregular Bands

ソル・ルウィット、1999年

Wall Drawing #915

マリーナベイ・サンズのアート遊歩道のゴールは、ベイフロントMRT駅のそばという便利な場所にある「Wall Drawing #915, Arcs and Circles」です。このウォールアートインスタレーションは、「Wall Drawing #917, Arcs and Circles」と同様のテーマとアイデアを引き継いでいる、アートに関する積年のアイデアへのチャレンジです。手段としてアクリル絵具を使っている大胆で印象的なこの作品は、Singapore Tyler Print Instituteが選んだアーティスト集団によって制作されました。

「Wall Drawing #915, #Arcs and Circles」は、マリーナベイ・サンズとベイフロントMRT駅を結ぶ地下歩行者ネットワークにあります。

その他のシンガポールのアートインスタレーション

マリーナベイ・サンズの真向かいは、勤労者やツーリスト、近隣地をのんびり巡るツアー中の人々で賑わうシンガポールの中央ビジネス地区です。アートインスタレーションがいくつもあり、どれもダウンタウンMRT駅行きの電車や徒歩ですぐと、アクセス至便です。

A World United

ファン・イーファン、2010年

A World United

ファン・イーファンによる「A World United」は、マリーナベイウォーターフロントプロムナード沿い、レッド・ドット・デザイン博物館の隣にあります。同氏が「A World United」の制作を委託されたのは2010年のことで、シンガポール初開催のユースオリンピック競技大会で実施される26競技のアスリートを凝ったアイデアで描写し、平和とスポーツの融合を表すことが作品のねらいでした。

「A World United」は、マリーナ湾、ウォーターフロントプロムナードにあります。

Breathe

エドウィン・チョン、2010年

Breathe

「A World United」から歩いてすぐの場所にあるのが、エドウィン・チョンの「Breathe」です。一連の洗練された曲線と細長いラインによって、シンガポールの中心ビジネス地区で際立つ存在となっています。このアートインスタレーションは、呼吸というシンプルな行動で持久力を維持しているオリンピックアスリートを象徴的に表現したもので、森と樹木で地球が「呼吸する」プロセスを再現しています。夜には、日中にたまった風力エネルギーを利用して、「Breathe」の構造物に付けられた小さな電球が点灯します。

「Breathe」は、マリーナ湾、ウォーターフロントプロムナードにあります。

Progressive Flow

ハン・サイ・ポー、2010年

Progressive Flow

ハン・サイ・ポーの「Progressive Flow」は、「A World United」から数分離れた場所にあるエリアで傑出した超高層ビル、NTUCセンターにあります。6つのグラニット彫刻がビルの歩道に点在し、都市の周辺環境に溶け込んでいます。「Progressive Flow」は、通行人がベンチで休憩し、静かなひとときを楽しめる、インタラクティブな屋外アートインスタレーションです。

「Progressive Flow」は、NTUCセンターにあります。