どんな国や文化にも、床屋文化がそれぞれあるようで、シンガポールも例外ではありません。シンガポールの昔ながらの床屋さんはどんな感じなのか体験してみることは、シンガポールでできる面白い体験のひとつです。また、友達作りや会話を楽しむのにも最高の場所です。

シンガポールの昔ながらの床屋は、店舗を構える必要がありませんでした。ジャラン・サルタン近くのバーバー・ストリートには、プラスチック製の椅子と鏡、水の入った桶を用意した仮設テントや露店の床屋が路上に立ち並んでいます。約40年から50年前の散髪料金は50セントで、髭剃り、耳掃除、マッサージのサービスを追加することができました。
現在は、衛生上の問題と規制のため、路上の床屋はほとんど消えてしまい、店で営業するよう行政指導されています。しかし、チャイナタウンやタンジョン・パガーの裏通りには、路上の床屋が今も不定期に営業しています。

路上の床屋も理髪店も、昔ながらの理髪師のほとんどは、専門的な学校やスタイリングの学校に通ったことがありません。彼らは家族から学んだり、見習いとして修業を積み、数十年にわたり商売を続けてきたのです。
今では、ほとんどの理髪師が正規の店に移っていますが、街の中心部でシンガポール流の床屋を今も体験することができます。男性しか利用できない床屋は、店の外にある青・赤・白のくるくる回るポールですぐに見つけることができます。

インド系やマレー系の人が経営していることが多く、長年にわたり散髪の仕事をしてきた人達がほとんどです。理髪師の多くは旧式の道具を好み、髭剃りも現代的な電気シェーバーより、一昔前の剃刀を好んで使用しています。
髭剃り後には、肌をなめらかにするタルカムパウダーをたくさん使い、大きめのブラシで余分なパウダーを払い落とします。料金はブティックやチェーンのサロンと比べて低料金です。頭部や肩を強めにマッサージしてくれたり、気さくな会話や冗談を楽しんだり、人生の貴重なアドバイスをもらえることもできます!
シンガポールに残る路上の床屋や昔ながらの床屋は、どちらも忠実なファンを持っていることが多く、店の評判は口コミで伝わります。オンライン検索やくるくる回るポールで昔ながらの床屋を見つけることができないときは、周りの人に遠慮なく聞いてみましょう。特にタクシー運転手の間には、シンガポールの貴重な裏情報が流れています。