アートはギャラリーの中だけのものでしょうか?それとも公共スペースの一部であるべきでしょうか?おそらく、この2つを組み合わせることで人々の関心は高まり、もっとアートを楽しめるのではないでしょうか。シンガポールには、買い物ツアーや市内観光をもっと楽しくする彫刻が、野外にたくさん展示されています!

マーライオンを語らずして、シンガポールの彫刻を語ることはできません。このシンガポールの象徴は、頭がライオンで体が魚の形をしており、シンガポールの歴史的背景をよく物語っています。シンガポールの街は、元々ジャワ語で「海の町」を意味する「トマセック」と呼ばれ、のちに「ライオンの町」を意味する「シンガプーラ」と名付けられました。したがって、マーライオンは、港としての役割と、強さと誇りを表すライオンという、シンガポールの歴史的立場と個性を組み合わせたものなのです。アレク・フレーザー・ブルーナーによってデザインされたマーライオンは、シンガポールのあちこちに見ることができます。川のそばに立つフラトンホテルの前にはオリジナルの像があり、37mの巨大なマーライオンはセントーサ島にあります。

シンガポールで有名な彫刻のひとつが、ン・エンテン作「マザー&チャイルド」で、シンガポールの芸術的景観を代表する彫刻です。この作品は街の中を転々と移動していましたが、現在はアンガス・ステーキ・ハウスに近いオーチャード・ロードの端に置かれています。アイオンの外には、フランス人彫刻家ジュリアン・マリネッティ作のカラフルで巨大なパンダの像が置かれています。この作品はアンディ・ウォーホールのポップアートに着想を得て制作されました。

アイオンの外には、巨大なナツメグの彫刻「ナツメグ&メース」もあります。2トンのブロンズ製で、地元の芸術家クマリ・ナハッパンが制作しました。オー チャード・ロードは、ショッピング・ストリートとして整備される以前、ナツメグと果物の果樹園(オーチャード)があった地域でした。この作品は、オー チャード・ロードの名前の由来にちなんだ、とても意義深い作品です。ナツメグとメースはどちらも香辛料で、かつてシンガポールとその地域は、この香辛料の 重要な貿易拠点でした。

素晴らしい景色や林立するオフィスビル群から離れた、シンガポール川の川岸沿いには、丸々と太ったブロンズ製の鳥の彫刻「ザ・バード」があります。フェルナンド・ボテロ作で、ユナイテッド・オーバー・シー銀行ビルの外に意図的に置かれています。鳥は「平和、繁栄、希望」を表すと言われています。

中央ビジネス地区からフィン・レイソン・グリーンに向かって歩くと、スチール製の彫刻「モメンタム」があります。たくさんの人型を一つ一つ手で色付けし、その人型で高さ18.35mの円錐形が作られています。デビッド・ガ-スタインは、シンガポールのダイナミックさを表すものを製作するようこの地域の不動産開発業者から依頼を受け、この作品を制作しました。

マリーナ・ベイに行くと、世界的に著名なフランス人彫刻家オーギュスト・ロダンの有名な作品「考える人」を目にするでしょう。ロダンはいくつかのブロンズ製胸像を制作しましたが、その一つが、シンガポールのマリーナ・ベイに面したOUEベイフロントビルに飾られています。
雨がひどくてアート作品を見て回るのが大変という時は、「レイニーデイ・アイテネラリー(雨の日のアクティビティ)」をチェックしてみてください。シンガポールの有名・無名博物館やギャラリーをご紹介しています。