アートサイエンスミュージアムでのM.C.エッシャーの展覧会アートサイエンスミュージアムでのM.C.エッシャーの展覧会

「無限迷宮への旅: M. C.エッシャーの驚異の世界」

 
 
無限の探求

M.C.エッシャーの数学への理解は、かなり視覚的で直観的なものでした。彼の作品の構図では、構造全体の目の錯覚を追求していました。最初はもっともらしく見えるのに、よく調べてみると、作ることができないものだとわかるのです。

1954年に、エッシャーは科学者と交流し始めました。こういった交流から、あり得ない建築物、目の錯覚、無限の表現を主とした彼の研究にとって大きなインスピレーションの源が生まれました。

作品としては、作品としては、「Ascending and Descending(上昇と下降)」「Print Gallery(版画の画廊)」「Relativity(相対性)」などが有名で、これらの作品では、M.C.エッシャーが表現しようとした無限性が強調されています。このような傑作は、彼の芸術の基本要素である数学と無限の構図の複雑な関係が反映されています。

 

M.C.エッシャー、「Mobius Strip II(メビウスの帯II」)(「Ants(蟻)」とも言う)

M.C.エッシャー
「Möbius Strip II(メビウスの帯II」)(「Ants(蟻)」とも言う)
1963年
木版画
個人所蔵、米国

M.C.エッシャーは1960年に、イギリス人数学者からメビウスの帯の版画制作を請け負いました。メビウスの帯は、向き付けが不可能であるという数学的特性を持ち、面と端がそれぞれ1つしかありません。驚いたことに、真ん中で切断しても崩れることはありません。

M.C.エッシャー、「Relativity(相対性)」

M.C.エッシャー
「Relativity(相対性)」
1953年
リトグラフ
The Liberty所蔵、米国

M.C.エッシャーは、3つの異なる点に基づく視点を絶妙に組み合わせることによって、3つの異なる世界が同じ空間を共有し、不思議だが現実的な構図を作り出しました。

M.C.エッシャー、「Ascending and Descending(上昇と下降)」

M.C.エッシャー
「Ascending and Descending(上昇と下降)」
1960年
リトグラフ
The Liberty所蔵、米国

M.C.エッシャーはこの作品を制作するために、イギリスの数学者であり物理学者でもあるL.S.ペンローズが出版したパラドックスの建築物に関する論文から着想を得ました。

この作品では、僧侶がいる階段は、上昇しているようにも下降しているようにも見え、彼の最も有名なパラドックス建築物の1つとなっています。

M.C.エッシャー、「Print Gallery(版画の画廊)」

M.C.エッシャー
「Print Gallery(版画の画廊)」
1956年
リトグラフ
The Liberty所蔵、米国

リトグラフ「Print Gallery(版画の画廊)」は、芸術と数学の接点を表現した代表的な作品です。M.C.エッシャーがこの作品を1956年に完成させたとき、一定の視点の法則で無限に繰り返す絵を中央に描くのが困難だと感じました。そのため、構図の中央の部分を空白のままにしたのです。50年後、ライデン大学数学科のヘンドリック・レンストラ教授とカリフォルニア大学バークレー校のエメリタス教授が率いる数学者のチームが、数か月の研究の末に絵を完成させました。