スタッフの紹介: アイリーン・ソー(マリーナベイ・サンズ バンケット担当 ペストリーシェフ)

 

イベントプランナーがデザートショーケースを作る際に頼りにするベテランスタッフが、今年をスイートに彩ったハイライトを紹介します

「デザートはイベントを印象深いものにするグランドフィナーレです。」そう語るのは、マリーナベイ・サンズの先駆的なペストリーシェフ、アイリーン・ソーです。世界中のホテルで30年以上の豊富な経験を積み、2009年に当ホテルの開業準備チームに加わりました。

これまでに多くのシェフを指導してきたアイリーンは、マリーナベイ・サンズの日々の宴会運営において、何千ものペストリーやデザートの企画発案や大規模な製作を監督しています。これまでに、サンズ エキスポ & コンベンションセンターで、美しいショーピースや、デザートプレート、ひねりの効いたデザートテーブルなどを手掛けてきました。彼女の経験と仕事の舞台裏について話を聞きました。

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1. 今年一番わくわくしたプロジェクトは何でしたか?

500名のクライアントを招いて来年の新作を紹介したプレビュー「オータム・ショーケース」です。最近イベントプランナーが重視しているのが、参加者を惹きつけて記憶に残る、没入感のある体験型のイベントです。それを考慮して、ゲストに不思議な秋の森の中を歩いているような感覚を味わってもらおうというのが私のビジョンでした。

まず全体を大局的にとらえるため、秋を感じさせる要素を想像してみました。カエデの木々、栗、丸太の温かみのある色合い、アップルクランブルやパンプキンパイといった季節感あるデザート、それらに調和する装飾をあしらって、ゲストの五感すべてに訴えかけることを意識しました。レセプションは期待を上回るものになりました。

クライアントがデザートテーブルや色とりどりのデザートかを見て、歓声をあげて驚いていらっしゃる姿を見ると、いつもやりがいを感じます。

 

2. クライアントイベントのためにデザートテーブルやウォールを作り上げる際の舞台裏はどうなっているのでしょうか?

どんなプロジェクトでも開始前に、クライアントの目的を理解する必要があります。イベントの内容は何か、このイベントで参加者にどんな印象を残したいのか、どんな気持ちになってもらいたいのかを考えます。最初の段階でつながりを見つけることが非常に重要です。

次に、スタイリスト、フローリスト、装飾会社に連絡し、デザートテーブルのデザインや盛り付けについて相談します。オータム・ショーケースと同様に、デザートの味を一段と引き立て、イベント全体の雰囲気を高める装飾について考えていきます。

最後に、15名のシェフチームに指示を出し、担当を割り当てます。シェフ一人ひとりがデザートテーブルに命を吹き込む重要な役割を担います。デザートは繊細でタイミングが重要なので、提供時に新鮮さを保つことが大切です。

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3. 最近クライアントが求める最新のデザートトレンドは何ですか?また、2025年にはどのようなトレンドが期待できるでしょうか?

クライアントは、贅沢でありながら「罪悪感の少ない」デザートを選ぶ傾向になってきています。彼らは食べるものにこだわりがあるけれど、味には妥協しません。もし、あるゲストがデザートを1つだけ食べると決めた場合、その一品がイベントを印象付けるような最高のものにするためには、どうすればよいか考えます。

私は、ラクトースフリーの要望に対応できる大豆を使った実験にも取り組んでいます。他にも、リンゴ、セロリ、オレンジといったジュース屋でよく見かける定番の組み合わせや、チーズケーキにドラゴンフルーツやマスカット、パッションフルーツなどの高級フルーツをふんだんにトッピングしたデザートにも挑戦しています。

サンズ エキスポ & コンベンションセンターでは、デザートに地元の味を取り入れることでシンガポールの文化を広げる試みを進めています。花をモチーフにしたこんにゃくゼリーシリーズを作り、Amway Chinaリーダーシップセミナーでお披露目しました。このイベントには10,000名のトップセールスディストリビューターが報奨旅行で参加していました。また、ルバーブとストロベリーやリンゴ、トマトと梅干し、サトウキビと梅干し、チリとチョコレートなど、面白いフレーバーの組み合わせも研究しています。私の一番好きな組み合わせはドリアンとチョコレートです。

新年の宴会も楽しみです。華やかなスイーツの数々で春を迎える準備をしたいと思います。

 

4. マリーナベイ・サンズには2009年の開業準備からいらっしゃいます。デザートの製作において、ご自身で変化を感じることはありますか? あなたのインスピレーションの源は何ですか?

流行にとらわれないことです。流行は一時的なもので、思考の幅を狭めてしまうからです。自分の想像力を信じて、夢を見ることを恐れない。そうすることで、より大きな価値をお客様に届けられると思います。