展示アーティスト

プルデンシャルシンガポールアイでは、シンガポール国内有数の革新的なアーティストの作品を通じて、シンガポールのコンテンポラリーアートシーンの概況をお伝えします。 展示アーティストは110人を超える候補者の中から選定され、シンガポール最高峰のコンテンポラリーアートを代表する顔ぶれが揃っています。 プルデンシャルシンガポールアイは、シンガポールの建国50周年を記念する文化の祭典における最初の主要な展示です。

作品には展示アーティスト達の多才ぶりが発揮され、多くのアーティストがコンセプトに高い確信を持って実験的な作品を手がけています。作品の媒体は絵画、インスタレーション、写真など多岐にわたり、顔ぶれも、国際的な支持を獲得しているさまざまなアーティストから新進気鋭のアーティストに至るまで多彩です。 プルデンシャルシンガポールアイは、他のプルデンシャルアイ展と同様に、新しい刺激的なコンテンポラリーアートシーンに光を当て、シンガポールのビジュアルアートシーンの国内外での評価を高めることを目的としています。 
  • 展示アーティストのプロフィール
En Passant、2011年 - 制作進行中

Adeline Kueh

Adeline Kuehは、周囲の事物や儀式との関係を再考するインスタレーションを制作しています。 その作品は欲求や憧れの感覚で満ち溢れ、私的な歴史や見過ごされた瞬間を追求する現代のトーテムとしての役割を果たします。Kuehは、これまでにラサール芸術大学(シンガポール)、Cabinet(ニューヨーク)、FASSアートギャラリー(トルコのイスタンブール)、ネクスト5ミニッツ(アムステルダム)など国内外のさまざまなコンテキストで展示を行っています。

En Passantは、通りすがりのひとときと境界空間を探訪するアートプロジェクトです。 作者は1990年代に列車でシンガポールからクアラルンプールまで行ったことがあります。 作品の画像はそのときに撮影されたもので、撮影場所となったシンガポールの鉄道駅は2011年に廃業しました。この作品は郷愁を誘い、変わりゆく都市の中にあって時間や場所のはかなさを垣間見せます。


3D Tic-Tac-Toe、2014年

Angela Chong

Angela Chongは、光、音、物語、インタラクティブメディアを駆使して虚構と現実の境界をあいまいにする手法を取るインスタレーションアーティストです。 これまでにアムステルダムライトフェスティバル(Amsterdam Light Festiva)(オランダ)、ヴィヴィッド・フェスティバル(Vivid Festival)(シドニー)、100ポインツ・オブ・ライトフェスティバル(100 Points of Light Festival)(メルボルン)、CP国際ビエンナーレ(CP International Biennale)(インドネシアのジャカルタ)、iLight Marina Bay(シンガポール)に作品を展示しました。

3D Tic-Tac-Toeは、あらゆる年代の人が参加して、互いに三目並べの勝負を楽しむことができるインタラクティブな光の彫刻です。


SEA STATE 2: Goryo 6 Ho、2012年

Charles Lim

Charles Limの作品は前職の船員としての経験が原点になっています。 そのユニークな視点は、日常体験に潜んでいる物理的な現実を目に見える形で表現するうえで役立っています。これまでにマニフェスタ7、上海ビエンナーレ、シンガポールビエンナーレ、ベネチア映画祭などの主要な国際的エキシビションで作品を展示しています。 2015年には、ベネチアビエンナーレでシンガポール代表を務めることになっています。

SEA STATEシリーズは、Limが継続的に研究しているシンガポールの海洋の地理と歴史から着想を得ています。 Limは、自然と人工、陸と海の相互作用を強調し、人類が物理環境にもたらす影響を感動的に表現しています。


Bottles and Fans、2010年

Chen Sai Hua Kuan

Chen Sai Hua Kuanの作品の媒体は、絵画、映画、パフォーマンス、写真、彫刻、サウンド、インスタレーションなど多岐にわたります。 その作風は、玩具や扇風機などの日常的な物体を駆使して、一見単純そうでありながら魅力的な作品を生み出します。 これまでにシンガポール美術館、サブステーションギャラリー(シンガポール)、モスクワ国際ビエンナーレ for Young Art(ロシア)、ウィスタブルビエンナーレ(イギリス)など世界各地で展示を行っています。

Bottles and Fansは、ガラス瓶と回る扇風機で作られたサウンドインスタレーションです。 水を入れた瓶の上に扇風機を置いて豊かな音を生み出します。 扇風機の冷却力で水が蒸発してメロディーが奏でられ、時間の経過とともに音色が変わっていきます。


Wires - Abstract #1、2010年

Chia Ming Chien

Chia Ming Chienは、アーティストとしての第一歩をストリート写真家から始め、その後ドキュメンタリー写真家、フォトジャーナリズムへと転身していきました。 その作品は「ナショナル ジオグラフィック」などの国際的な雑誌で発表され、フラトンヘリテージギャラリー(Fullerton Heritage Gallery)(シンガポール)、コンテンポラリーアート美術館(Institute of Contemporary Arts)(シンガポール)、ヴィヴィッド(VIVID)(シドニー)、メルボルンジャズフェスティバル、アーバンスケープスアーツフェスティバル(Urbanscapes Arts Festival)(クアラルンプール)でも展示されました。

Wiresシリーズでは、都市環境の電力供給の主要なインフラの1つをビジュアルに表現しています。 電線は都市の景観を損なう存在として見られがちですが、電線の美的性質を表現したChiaの作品を目の当たりにすると、建築環境の美意識について考えさせられます。


And We Were Like Those Who Dreamed、不詳

Donna Ong

Donna Ongは、特にファウンドオブジェを使った示唆に富む環境で知られるシンガポールのインスタレーションアーティストです。 その作品はこれまでにジャカルタビエンナーレ(インドネシア)、關渡ビエンナーレ(台湾)、モスクワビエンナーレ(ロシア)、シンガポール美術館、シンガポール国立博物館などで幅広く展示されました。

「We Were Like Those Who Dreamed」は、家具とハンドカットした本の挿絵で構成される一連の彫刻作品です。 この作品は、Ongの他の多くのインスタレーションと同様に子供時代の豊かな想像を呼び覚まし、すべてのオブジェが神秘、魅力、意味に満ちています。 この作品では、年齢や姿勢が異なるさまざまな小さい聖母像がハンドカットしたイメージで表現され、これに寄り添う天使とともに好奇心の戸棚に収められています。

Ongは、アイアワードの展示と「ダ・ヴィンチ: 未来を造形する」でも、ミュージアムの委託による作品「The Forest Speaks Back II」を出品しています。


The Decline of the Western Civilisation、2010年

Gerald Leow

Gerald Leowは、文化的景観からのファウンドオブジェをアレンジして真正性、文化、アイデンティティの問題点に光を当てます。 Leowは人類学や物質文化の研究などに関心を持っています。 これまでにシンガポール美術館およびクイーンズランド・カレッジ・オブ・アート美術館(オーストラリア)で作品を展示し、2014年にはサブステーションのアソシエイト・アーティスト事業に参加しました。

「The Decline of the Western Civilisation」では、遊び心を込めてポピュラー音楽を追求しています。 この作品では、香港の四天王の1人に数えられる歌手、レオン・ライの小立像が、有名なヘビーメタルバンドの名前をとった「Anthrax」のメタルの文字の重みで押しつぶされている様が表現されています。 この作品は、西洋のポップカルチャーと中国のポップカルチャーという2つのイデオロギーの衝突を象徴しています。


The Bohemian Rhapsody Project、2006年

Ho Tzu Nyen

Ho Tzu Nyenは映像、ビデオ、パフォーマンス、マルチメディアのインスタレーションを制作しています。 彼の作品は、叙事詩的神話の構成を利用し、その物語をフィクションとして表現しています。 その表現は単なる物語ではなく、論証的なプロセスです。彼の作品の多くは東南アジア、特にシンガポールの文化史に焦点を当てています。これまでに南オーストラリア現代アートセンター、アートスペース(シドニー)、森美術館(東京)、シンガポール美術館など世界各地で作品を展示し、2011年のベネチア・ビエンナーレではシンガポール代表を務めました。

The Bohemian Rhapsody Projectは、クイーンの1975年のヒット曲「ボヘミアン・ラプソディー」の歌詞をベースにした短編映画です。 場面は裁判所での裁判。撮影は旧シンガポール最高裁判所で行い、クイーンの歌の歌詞に忠実に従って訴訟手続きが進められます。 この映画は、裁判所で繰り広げられるメロドラマと同時に、その制作の模様をも映し出しています。


Beyond The Blue、2012年

Jane Lee

Jane Leeはシンガポール有数の著名なコンテンポラリーアーティストです。 テキスタイルデザインの訓練を積んだLeeの画風は、触覚に強く訴えるとともに、目を見張るような視覚的表現で知られ、 絵画用ストレッチャー、キャンバス、絵の具の部材を使って斬新な作画方法を開拓しています。 Leeは、これまでにシンガポール美術館、香港芸術中心、サンダラムタゴールギャラリー(ニューヨーク)、コンテンポラリーアートセンター(リトアニア、ヴィリニュス)など世界各地のギャラリーや美術館で作品を展示しています。

作品「Beyond the Blue」では、押し出した絵の具で形作られた塊が壁面を滝のように流れ落ちていく様を描いています。 「Turned Out」では、細長いキャンバスにアクリル絵具で絵を描き、それを丸めて円形にして壁に取り付けています。 出来上がったオブジェはホースまたはコードリールのように見え、絵というよりは彫刻あるいは壁面レリーフのような印象を与えます。 従来認識されていた絵の描き方を深く追求する作品になっています。


Master Plan、2012年

Jason Wee

Jason Weeはアーティストであり、作家です。 その作品には、特定の歴史や空間に関するジレンマ、葛藤、人々の解釈を取り上げています。 難問、謎、理想主義、未開の未来を探求するWeeの作品は、これまでにチェルシーアートミュージアム(ニューヨーク)、PS122ギャラリー(ニューヨーク)、シンガポール美術館、アジア・アメリカアートセンター、アートシーズンズギャラリー(シンガポール)で展示されています。

「Master Plan」には、ハーバード大学デザイン大学院で建築・計画を学んだ成果が表現されています。 この作品では、幾何図形を用いて都市の抽象モデルを表しています。 Weeはこの作品について、「新しい都市計画が白と黒で描かれた。 役人は鍵をかけてオフィスを去る。彼が描いたシンボル(オフィスビルの数々)は取り残されて、都市計画の別のアイデアを表すに至る」と記しています。


Ubuntu、2014年

Jeremy Sharma

Jeremy Sharmaは主にコンセプチュアルペインターとして活動しています。 表面とテクスチャーを前景にした画風は、完成した作品と同様に絵の制作過程を重視しています。 これまでにシンガポールビエンナーレ、コンテンポラリーアート美術館(Institute of Contemporary Arts)(シンガポール)、マイケル・ヤンセンギャラリー(Michael Janssen Gallery)(シンガポール)といった国内外の各地で作品を展示しています。 ロックバンド「Tiramisu」およびアート集団「Kill Your Television(KYTV)」の創立メンバーでもあります。

「Terra Sensa」は、Sharmaがパルサーの調査からインスピレーションを得た継続中のシリーズです。 パルサー(脈動する電波星を意味するpulsating radio starの略称)は強い磁力を持ち、回転する中性子星であり、 爆発した星の残存物として、寿命の減衰に伴って電磁パルスの放出を続けます。 1967年にイギリスでJocelyn Bell Burnellによってパルサーが発見されて以来、
Sharmaは10年ごとにパルサーからの照合データの放射線写真を取得し、 そのデータを海嶺、山頂、渓谷の3次元のコラムスラブにプロットしました。 その結果として出来上がった作品は地形、初期の洞窟壁画、寺院の壁面レリーフを想起させますが、実際には減衰する光線で作られています。 この作品を通して、Sharmaは地球外生物と来世に対する人類の強い関心を扱っています。


Drunk in the Morning、2013年

Justin Loke

Justin Lokeは、機知に富んだアートインスタレーションで知られ、2009年にSingapore President’s Young President Awardを受賞し、2011年にはCeleste Prizeを受賞したアート集団、Vertical Submarineに所属しています。 Loke単独での作品では、絵画、彫刻、映画を縦横無尽に横断し、さまざまな構成方法を楽しんでいます。 Lokeは、これまでにオブジェクティフスギャラリー(Objectifs Gallery)、シンガポール美術館、ポストミュージアム(シンガポール)で作品を展示しています。 また、シアターワークス(シンガポール)のアソシエイト・ディレクターを務めた経験があり、サブステーションのアソシエイト・アーティスト事業にも参加しました。

「The Seven Scenes of Barry Lyndon」は、スタンリー・キューブリックが制作した歴史映画『バリー・リンドン』(1975年)のシーンをモチーフにした絵画です。作品では、個々のイメージの境界を越えた構成を開拓しています。


Red Trail Series – Power、2007年

Kumari Nahappan

Kumari Nahappanが手がけた大胆なパブリックアートの巨大彫刻は、シンガポール、マレーシア、中国、フィリピンで委託された作品です。 Nahappanはシンガポールのアートおよび文化的景観に多大な貢献をし、絵画、彫刻、インスタレーションを包含した活動を実践しています。 これまでに森美術館(東京)、シンガポール美術館、芸術の殿堂(韓国、ソウル)、ルダナ美術館(インドネシア)で作品が展示され、チャンギ空港、IONオーチャード、シンガポール国立博物館には象徴的な彫刻が飾られています。

「Red Trails」シリーズでは、Nahappanのコンテンポラリーアートに対するアプローチが文化的ルーツと信条によって決定的に形成されていることが示されています。 Nahappanは、赤は力、強さ、勝利を連想させ、プラスのエネルギーとマイナスのエネルギーを伝える色であるという信条を持っています。 赤は血の色、すなわち全人類が共有する絆の色です。 Nahappanは絵具の薄い層を表面に重ね、光と形が見えるまで各層にやすりをかけるという骨の折れる作業に着手しています。 この方法によって絵に光が溢れているように見えます。


Ping Pong Go-Round、2013年

Lee Wen

Lee Wenはシンガポールのコンテンポラリーアートとパフォーミングアートの真の先駆者の1人です。 その作品は、メディアの枠を超えて社会的アイデンティティのテーマに重点を置いています。 Wenは、2005年にシンガポールのアーティスト・ヴィレッジに補助メンバーとして参加し、シンガポールのコンテンポラリーアートの発展に貢献した人に送られるCultural Medallionを受賞しました。 彼の作品はこれまでにサブステーション(シンガポール)、光州ビエンナーレ(韓国)、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(オーストラリア)など世界各地で幅広く展示されました。

Lee Wenの作品の多くは、アートを用いてステレオタイプの認識を世に問い直したいという欲求から触発されています。 「Ping Pong Go-Round」は卓球の構成とルールを作り変えて、選手の間で交わされる交替のモデルを表しています。 Lee Wenの卓球台は従来の卓球台と異なり、境界がなく、選手間のやりとりの可能性の幅を広げています。


Concrete Euphoria, Housing Development Board Flat, Singapore、2008年

Mintio

Mintioの手法は、カメラのメカニズムを通じて構築される幻想的、精神的世界に関心を寄せています。 中にはシンガポール美術館のコレクションに含まれている作品もあり、これまでにシンガポール国際写真フェスティバル、芸術の殿堂(韓国、ソウル)、サンフランシスコ・アート・インスティテュートで作品を展示しています。また、『Confabulation,』、『Straits Times』、『Geo Magazine』で執筆活動も行っていました。

「Concrete Euphoria」では、移り変わりの激しいアジアの都市とその空前の成長を探索する一連の写真を展示しています。 Mintioは、大判カメラと複数の露光を用いて、シンガポールやその他のアジアの諸都市の構造とインフラの反復からデジタル操作なしで大型の抽象キャンバスを創り出し、 地域性を示す境界や識別標識が消滅している万華鏡のような現代の風景を表現しています。


Shauna 038、2007~2009年

Sean Lee

Sean Leeは不変性とはかなさとの対話を追求し、一部の社会ではタブー視されているように見えるトピックにもしばしば踏み込む写真家です。 シンガポール美術館のコレクションに含まれている作品もあり、これまでにGaleria TagoMago(バルセロナ)、ニューヨークフォトフェスティバル(米国)、エンパイアプロジェクト(イスタンブール)、シンガポールビエンナーレで作品を展示しています。

Leeの「Shauna」シリーズは、自らのトランスセクシャルな別人格、Shaunaへの変身を記録しています。 このシリーズはカンボジアのシェムリアップで始まり、Lee自身が服を着る、靴を履く、街を歩くといった単純な日常的作業を学び直す模様が記録されています。 SeanがShaunaとなり、演技と現実、撮影者と被写体の境界があいまいになります。


A Secret Garden、2013年

Yeo Chee Kiong

Yeo Chee Kiongは受賞歴のある彫刻家であり、個性的で遊び心に溢れた並置で知られ、世界中の評判を集めました。 その作品は、これまでにシンガポール国立博物館、シンガポール美術館、釜山ビエンナーレ(韓国)などで幅広く展示されました。

「A Secret Garden」は、ウールで雨林を描いたサイトスペシフィックのインスタレーションです。 Yeoはウールを用いて雨、影、夜などの自然現象を表現しています。 ウール素材を使用することで、観客を実際に中に招き入れる、温かみのある柔らかで魅惑的な「庭」を創り出しました。 超現実的で、哀愁を帯びた、詩情豊かな「A Secret Garden」は、現実的であると同時に空想的なYeoの彫刻的感性を象徴しています。