「無限迷宮への旅: M. C.エッシャーの驚異の世界」

「エキシビション」について

「無限迷宮への旅 : エッシャーの驚異の世界」では、世界で最も著名なグラフィックアーティストの1人であるM. C.エッシャーの作品を展示します。

不思議なスケッチ画やパラドックスを取り入れたデザイン画など、150点を超える原作品を展示した回顧展です。この展示ではまず、彼の初期の版画と、イタリアの風景から着想を得た自然主義的な素描を展示しています。さらに、モザイク模様や図形の変容を題材にした作品を展示し、空想と幾何学が融合するエッシャーの芸術において、どのようにして変容がユニークな特徴となったかを説明しています。エッシャーは数学研究を行いながら、信じられないほどの綿密さと正確性によって無限を描こうとしました。

今日まで国際的な科学界は、エッシャーの作品をアートとサイエンスの相互関係を象徴する存在として称賛しています。エッシャーの数学的理解は主に視覚的かつ直感的なものだったにもかかわらず、彼が建築学と遠近法を利用して作り出した無限の不思議な魅力であふれた世界は私たちの心を捉えます。M. C.エッシャーの作品は今もなお、彼の遊び心あふれる空想と魅力的な構築物を愛する芸術家、数学者、ミュージシャン、デザイナーたちに何世代にもわたって影響を与え続けています。

展示のテーマ
アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
「Self-portrait(自画像)」
1929年
リトグラフ
The Liberty所蔵、米国
 

M.C.エッシャーの初期の作品は、19世紀末にヨーロッパで始まった大衆芸術の様式であるアールヌーボーから着想を得ています。また、エッシャーは自然に対して畏敬の念を抱き、昆虫や花を写実的に描いた版画を数多く制作しました。

1921年から1935年にかけてイタリアを旅行し、そこから着想を得て、田園風景を精力的に描きました。

M.C.エッシャーの作品の特徴は、自然に対する細やかな観察と、彼を取り巻く世界で気付いた幾何学的規則性への情熱から生まれたものです。 

アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
「Regular Division of the Plane II(平面の正則分割II)」
1957年
木版画
The Liberty所蔵、米国
 

M.C.エッシャーの芸術的発展における重要な転機は、1936年の南スペインへの2回目の旅でした。そこで彼は、グラナダのアルハンブラ宮殿やコルドバのメスキータなど、ムーア様式の著名な歴史的建造物を訪れました。このような建造物を訪問したことによって、彼は、14世紀の職人がムーア様式の建造物の壁やアーチを装飾するために使用したパターンを理論的に研究する意欲に駆り立てられました。

エッシャーはモザイク模様、つまり三角形や星、正方形がタイルのように繰り返されて、隙間なく平面を覆っている幾何学的装飾の虜になりました。彼は筆記帳でモザイク模様のさまざまなモチーフを表現する水彩画を100点以上綿密に作り上げました。これらのモチーフは、平らな表面を規則的なパターンで埋める17通りの方法と、さまざまな色の可能性の研究成果を表すものでした。 

アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
「Sky and Water I(空と水I)」
1938年
木版画
The Liberty所蔵、米国
 

M.C.エッシャーは、さまざまなモザイク模様に基づいて変形が連続的に発生し、抽象的な図形が具体的な形状に変わる世界を作り出しました。鳥が徐々に魚に変わったり、トカゲがハチの巣の穴に変わったりする世界です。時には、変形から昼と夜、善と悪のような反対の組み合わせが生み出されました。

エッシャーの研究は、平面の正則分割にとどまりませんでした。彼の有名な自画像「Hand with Reflecting Sphere(写像球体を持つ手)」で描かれているように、反射面にも強い関心を抱いていました。

アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
フェルブリファ社のブリキ缶
1963年
個人所蔵、イタリア 
  
 
M.C.エッシャーは、その知名度の高まりを受けて、世界中の政府関係者や称賛者から定期的に作品の制作を依頼されました。彼はコンサートプログラムの表紙からシンプルなグリーティングカードや蔵書票まで、小さな依頼も受けました。M.C.エッシャーは、このような小さな依頼にも同じように集中して取り組み、自身の壮大な構想を小規模なプロジェクトに合わせて適応させていました。
アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
「Print Gallery(版画の画廊)」
1956年
リトグラフ
The Liberty所蔵、米国
 

M.C.エッシャーの数学への理解は、かなり視覚的で直観的なものでした。彼の作品の構図では、構造全体の目の錯覚を追求していました。最初はもっともらしく見えるのに、よく調べてみると、作ることができないものだとわかるのです。

1954年に、エッシャーは科学者と交流し始めました。こういった交流から、あり得ない建築物、目の錯覚、無限の表現を主とした彼の研究にとって大きなインスピレーションの源が生まれました。

作品としては、「Ascending and Descending(上昇と下降)」「Print Gallery(版画の画廊)」「Relativity(相対性)」などが有名で、これらの作品では、M.C.エッシャーが表現しようとした無限性が強調されています。このような傑作は、彼の芸術の基本要素である数学と無限の構図の複雑な関係が反映されています。

アートサイエンス ミュージアムのM.C.エッシャー展
M.C.エッシャー
ピンク・フロイド
「Ummagumma(ウマグマ)」
1969年
個人所蔵、イタリア
 

芸術的分野から大衆文化まで、M.C.エッシャーの作品は、今でもさまざまな分野で参考にされています。

現代の多くの画家やデジタルアーティストたちがM.C.エッシャーのモザイク模様の作品から着想を得て、それを独自の芸術的感性で解釈してきました。1960年代末のミュージシャンや歌手もエッシャーの創造的プロセスを好みました。コミックやマンガの分野では、彼の幾何学的な世界は有名なコミックキャラクターの生みの親たちにインスピレーションを与えました。

エッシャーマニアがあらゆるクリエイティブ分野にどのような影響を与え、M.C.エッシャーの作品が今もなお現代の文化にどのような影響を与えているかをご紹介します。


All M.C. Escher works © 2016 The M.C. Escher Company – the Netherlands.  All rights reserved. www.mcescher.com 

画像ギャラリー


インタラクティブ展示
MC. エッシャーのインタラクティブ展示


モザイク模様パズルアクティビティ

エッシャー風の大きなパズルを使用してモザイク模様の可能性を探ってみませんか。このパズルをやっていくと、モザイク模様の4つの原理を発見できることでしょう。 

MC. エッシャーのインタラクティブ展示


相対性の部屋

M.C.エッシャーは、描写する視点に関する奇妙な問題に強い関心を抱いていました。彼は、作品の中の自身の体を通じて、一見して不思議で実現不可能な環境を作り出しました。エッシャーの相対性の部屋にぜひお越しください。この部屋は、歪んでいるような錯覚を引き起こす比率で作られています。

一般公開プログラム

公式ガイドツアー

英語:
ファミリーフライデー:1月6日、20日、2月3日、24日 | 午後3時~午後4時
1月8日、15日、22日、2月5日、12日、19日、26日の各日曜日 | 午後5時~午後6時
2月26日(日曜日) | 午前11時30分~午後12時30分

標準中国語:
1月14日、21日、2月4日の各土曜日 | 午後2時~午後3時および午後4時~午後5時

M.C.エッシャーの空想の不思議で実現不可能な世界へといざなうこのガイド付きツアーで脳をフル回転させてください。数学的発想と芸術がエッシャーの作品でどのようにして結び付いているか、さらに彼の考え方が現在もどのように深い影響を与えているかをご覧ください。

無限迷宮への旅: M. C.エッシャーの驚異の世界」展のチケットをお持ちのお客様は無料です。先着順で25名様までご参加いただけます。

ワークショップ「自分だけのモザイク版画を作ろう」

ファミリーフライデー:1月6日、20日、2月3日、24日 | 午後4時30分~午後5時30分

実際に体験できるアートメイキングワークショップで数学の美しさを発見してみませんか。格子模様や図形から始めて、M. C.エッシャーのモザイク作品や装飾から着想を得て自分だけのモザイク版画の制作やデザインを体験できます。

「無限迷宮への旅: M. C.エッシャーの驚異の世界」展のチケットをお持ちのお客様は、おひとり様3ドルにてご参加いただけます。M. C.エッシャーの驚異の世界」展のチケットをお持ちのお客様は無料です。先着順で20名様までご参加いただけます。

キュレーターとパートナーについて

マリーナベイ サンズにある アートサイエンス ミュージアムが催す展覧会「無限迷宮への旅: M.C.エッシャーの驚異の世界」のキュレーターであるフェデリコ・ギデセンドレア博士は、オランダ人芸術家M.C.エッシャー作品の熱心な収集家です。博士がエッシャーに強い興味を抱き始めたのは博士が高校生のときでした。そして、1990年以降、このオランダ人グラフィックアーティストによる版画をはじめとした芸術作品を150点以上収集しています。2007年にはエッシャーをテーマとした展覧会の主事を務めることで個人としての趣味を専門的なものに変え、今では、エッシャー展覧会を10回以上開催しています。博士には、MUSEION(南チロル地方モダンアート ミュージアム)の理事という一面もあります。

世界的な木材走査企業であるMicrotecの共同創始者であるジュディチェンドレア博士は、現在、同社の社長、CEO、および研究開発部門のディレクターを兼務しています。Microtecにおけるエンジニアリング部門での功績が認められ、博士はiFデザイン賞(2015)やマーカス・ウォーレンバーグ賞(2016年受賞)などの多くの賞に輝いています。


M.C.エッシャー財団はM.C.エッシャーが手がけた作品の保全を目的として、1968年にM.C.エッシャー自身によって設立されました。現在、同財団は、M.C.エッシャーの人生と作品に関わる展覧会の企画、書籍の出版、映像の製作を行っています。M.C.エッシャー財団では、エッシャーが芸術家としての活動を終えるまでに制作した数多くの原作品を所蔵しており、オランダに返還された原作品と並ぶほどの作品数を収集できるように努めています。

アルテミシアグループは、展覧会のプロデュース、企画、演出におけるイタリアのトップ企業です。展覧会のプロデュースに新しい手法を導入して確固たるものとしてきたアルテミシアグループは、今日、高品質な芸術イベントの企画とプロデュースにおいて国内外の評価基準としての存在を示しています。アルテミシアがプロデュースした展覧会は、2000年以来、450回以上に及びます。

展覧会共同開催者:
   
M. C.エッシャー財団のロゴ
同時開催プロジェクト: