アートサイエンス・シネマでは、最新の上映スペースで、年間を通して展示に合わせて特別にキュレーションされた映画を上映しています。映画回顧展、映画祭セレクション、カルト・クラシック、ドキュメンタリーなど、さまざまなプログラムをご用意しています。
ART SG FILM: EMBODIED PRESENCES
1月18日～21日
上映
ART SG FILM: EMBODIED PRESENCES
「ART SG FILM: EMBODIED PRESENCES」では、キュレーターのサム・アイシャンが選んだ東南アジア周辺のアーティストによる動画やフィルム作品を上映します。
身体のあらゆる知覚能力や表現能力、物質的な現実、神話的な幻想を中心に展開する、アーティストフィルムや動画アートのセレクションです。17人の国際的なアーティストによる19の動画作品を、3つのテーマの短編映画コンピレーションと1つの特別長編プレゼンテーションで上映します。「Movement in Space」の作品では、表現する身体が、社会的空間の描写、現実性の模索、精神状態の明示を行う様子が描かれています。「Voice and Being」の作品は、会話や身振りで伝えることによって人間と人間以外の被験者が得る生きた経験を捉えています。「The Worldly and Otherworldly」では、現代の暮らしに浸透しているメディア環境から民話や儀式の感覚的で怪奇なビジョンまで、俗世と霊的領域の交差を描く作品を紹介します。地球最後の人間の夢のようなディストピア物語「Future Shock」が、本プログラムのラストを飾ります。
キュレーション担当:サム・アイシャン
合計上映時間:256分3秒
各動画作品の詳細は、https://artsg.com/film/をご覧ください。
画像キャプション:
映画スチール出典:「Future Shock: The End of Eternity」(スー・ホイユー制作、2023年)、アーティストおよびチ・ウェンギャラリー提供
1月18日～21日
上演時間は作品ごとに異なります。
先着順でお席にご案内いたします。混雑状況により入場を制限する場合がありますのでご了承ください
EMBODIED PRESENCES
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「Movement in Space」
上映時間 – 62分22秒
1月18日～21日
上映開始時刻:毎日午前11時
本プログラムの作品は、パフォーマンス作品、政治的作品、個人的な作品における身体の中心性を反映しています。パフォーマンスをする身体は、個性、アイデンティティ、身体性の象徴でありうると同時に、コミュニティ、国、社会のメタファーとしての役割も果たしています。そのような身体の政治性を制圧、あるいは規制することを示唆しているのが、タナチャイ・バンダーサックの作品とジェイソン・ウィーの作品のパフォーマンスです。タナチャイ・バンダーサックの作品が過去に政治危機が起こった場所で草刈りをするという秩序だった行為を描いている一方で、ジェイソン・ウィーの作品は、期待、欲望、社会統制について、いくつもの意味にとれる曖昧で詩的なテキストを姿で表現しながら高速道路の下で一人で踊るアーティストに焦点を当てています。加藤翼の作品とマルクス・シンワルドの作品のパフォーマンスは、魅力と嫌悪を振付で表現します。それぞれ、自律と依存の間の緊張、本質的な相違を埋めることの困難を示しています。この他者との関わりの感覚は、副島しのぶのストップモーションアニメーションでもカギとなっています。同氏の作品では、人間性という複雑な道徳上の軸や、暴力の連鎖から逃れることの不可能性を、争う登場人物たちで客観化しています。ホウ・イーティンの作品とヨー・シュウホァの作品では、設定が重要な役割を担っています。ホウ・イーティンの作品では、人物像が、都市の歪みの中で実験的な観点の橋渡し役や尺度としての役割を果たしています。ヨーの作品では、廃墟となった施設が登場人物たちのステージへと超現実的に変容しています。登場人物たちが踊り、身体を動かして、変わりやすくも硬直した家族のあり方を表現し、さらに、人は誰でも完全に理解し得るかどうかを問いかけます。
タナチャイ・バンダーサック
「////////」、2019年
16mmフィルムをデジタル動画に変換
2分39秒
アーティスト提供
G指定
加藤翼
「Woodstock 2017」(2017年)
シングルチャンネル動画、カラー、音声
4分7秒
アーティスト、無人島プロダクション、チ・ウェンギャラリー提供
PG指定
Jason Wee
「Awkward」(2022)
シングルチャンネル動画
5分28秒
アーティスト、コチ=ムジリス・ビエンナーレ、ヤヴズギャラリー提供
G指定
ホウ・イーティン
「Neither of Us: The Relation of Non-Territory (Part 1)」(2013年)
シングルチャンネル動画
2分9秒
ホウ・イーティン(TKG+)提供
PG指定
副島しのぶ
「Blink in the Desert」(2021年)
ストップモーションアニメーション
10分32秒
©Shinobu Soejima、アートフロントギャラリー提供
PG指定
マルクス・シンワルド
「1st Part Conditional」(2004年)
35mm/デジタルベータカム
3分
©Markus Schinwald. All Rights Reserved.
PG指定
ヨー・シュウホァ
「The Wandering」(2022年)
動画
34分27秒
ヨー・シュウホァ提供
PG指定
画像キャプション:
映画スチール出典:「The Wandering」(ヨー・シュウホァ制作、2020年)、アーティスト提供
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「Voice and Being」
上映時間 – 66分42秒
1月18日～21日
上映開始時刻:毎日午後12時30分
本プログラムの各作品は、それぞれのストーリーや体験に目を向けた特徴的な語りが含まれています。各作品の主題は混乱をきたし、選択と状況によって崩壊することすらあるものの、場所の感覚と生存する権利を次から次へと追い、守り続けます。シュウ・ジャウェイとジュン・グエン=ハツシバの実験的ドキュメンタリーでは、主な登場人物たちが地域紛争や世界戦争による退去を受け入れる中で、個人的な歴史が表面化します。同じように移民家族が登場するフー・チン・チュアン、イン・イン・ウォンの作品でも、注目されているのは、今生活している新しい世界で自らの存在を主張し、順応する彼らの声です。ユージーニア・リム、ヘザー・デューイ・ハグボルグの作品は、人的資本と動物家畜化の駆け引きを、舞踊、動作、音楽を独創的に用いることによって考察しています。タナチャイ・バンダーサックの作品では人間ではない不可思議な存在が声を発し、詩情あふれる光と音のコーダを形成して、多種多様な語りの集大成を目指しています。
シュウ・ジャウェイ
「Huai Mo Village」(2012)
シングルチャンネル動画、カラー、音声
8分20秒
アーティスト、リャングギャラリー、チ・ウェンギャラリー提供
PG指定
ジュン・グエン=ハツシバ
「Utsusu」(2021年)
シングルチャンネル・デジタル動画
5分
アーティストおよびミヅマアートギャラリー(東京)提供
フー・チン・チュアン
「That ‧ This」(2018)
シングルチャンネル動画、3Dスキャン、カラー、音声
6分37秒
アーティストおよびチ・ウェンギャラリー提供
PG指定
イン・イン・ウォン
「Lotus Flowers」(2022年)
ショートフィルム、ウォールプロジェクション
8分45秒
イン・イン・ウォン提供
PG指定
ユージーニア・リム
「ON DEMAND」(2019年)
シングルチャンネル動画
14分
アーティストおよびステーション提供
PG指定
ヘザー・デューイ・ハグボルグ
「Hybrid: an Interspecies opera」(2022年)
シングルチャンネルフィルム
20分
ヘザー・デューイ・ハグボルグ&フリードマンギャラリー提供
PG指定
タナチャイ・バンダーサック
「Air Cowboy」(2010年)
ミニDVをデジタル動画に変換
3分
アーティスト提供
G指定
画像キャプション:
映画スチール出典:「Air Cowboy」(タナチャイ・バンダーサック制作、2010)、アーティストおよびバンコク・シティシティ・ギャラリー提供
