今年8月9日に53周年を祝うシンガポール独立記念日とその歴史

2018年8月9日(ナショナルデー)に独立記念53周年を迎えるシンガポール。ナショナルデーは、毎年シンガポールが国を挙げて盛大にお祝いするビッグイベントの1つでもあり、戦闘機による航空ショーや花火、パレードの準備やリハーサルで、都内は開催日の1ヶ月ほど前から賑わい始めます。今年のイベント開催地は、マリーナベイ・サンズのすぐ目の前、シンガポールの富と繁栄を象徴するマリーナベイエリアに位置するザ・フロート@マリーナベイ。マリーナベイ・サンズにご宿泊のお客様は、お泊りのお部屋あるいはレストランからイベントを目の当たりに楽しむことができます。

現代でこそ、近未来都市の代表とされるほどまで成長したシンガポールですが、ここにいたるまでのシンガポールの歴史は決して平坦なものではありませんでした。現代のような形で共和国として独立してからはまだほんの53年ですが、シンガポールが歴史的な記述に初登場するのは西暦2世紀とも3世紀ともいわれています。3世紀当時の中国の文献に「半島の先端の島 =プ・ルオ・チュン(Pu-luo-chung)」と記されていたのがその始まり。以来、シンガポールは長く、非常に複雑な歴史を歩んできました。

現代の国名「シンガポール」の語源となる、シンガプーラの名で呼ばれるようになったのは14世紀末のこと。それまでのシンガポールは古いジャワ語で海を意味する「テマセック (Temasek)」の名で知られていました。スマトラの王子サン・ニラ・ウタマ王子によってサンスクリット語で「ライオンの町」意味を意味する名で呼ばれるようになってから時は下り、ポルトガルの侵略による荒廃の末、漁民と海賊の住む人口150人ほどの漁村となっていたシンガプーラに、1819年、東インド会社の書記官トーマス・ラッフルズが上陸し、イギリスによって植民地化されます。この時イギリス風の「シンガポール」の名が与えられました。以来中継貿易の拠点として発展し、これに伴い中国、インド、インドネシアなどから多くの移民が訪れ、現在の多民族国家の基礎が作られました。


(Beach Roadに白くそびえる市民戦死者記念碑 The Civilian War Memorial)

さらに時代は下り、太平洋戦争が始まると、連合軍に属する宗主国のイギリスが15万人以上の兵をシンガポールに駐留させたことから、日本軍による攻撃を受けます。1942年2月7日に開始された「シンガポールの戦い」は、たった1週間後の2月15日にイギリス軍の無条件降伏により終了、その直後から日本陸軍による占領が開始、シンガポールは昭南島(しょうなんとう)と改名されました。日本による軍政下では憲兵隊(軍の秘密警察)が組織され、反日的な行動を起こしたという理由で「粛清(しゅくせい)」の名の下に中国系をはじめ多くの住民が惨殺されました。その数は優に25,000〜50,000人にのぼるといいます。シンガポールの市内にはこの戦争と占領の犠牲になった人々の霊を鎮め、このような惨事を二度と繰り返さないようにと、日星両政府の協力で建てられた慰霊碑と戦争記念公園(War Memorial Park)があります。この他にも、シンガポール国内にはチャンギ博物館(Changi Museum) など、第二次世界大戦当時の貴重な記録を収めた博物館が島内各地にありますので、ぜひこの機会に訪れて、両国間の関係について知識を深めるのも良いでしょう。


1945年日本の敗戦によりシンガポールは再び英国の手に渡り、植民地統治が再開されますが、独立運動の機運が高まりイギリスの自治領となったシンガポールは1963年にマレーシア連邦の一部となります。しかしマレー人優遇政策をとろうとするマレーシアとマレー人と華人の平等政策を進めようとするシンガポールとの間に生じた軋轢の末、ついに運命の1965年8月9日マレーシア連邦から追放される形でシンガポールは都市国家として独立しました。決して、シンガポールにとって望ましい形での独立ではありませんでした。当時、独立を国民に伝えるテレビ演説でリー・クアンユーは涙を流したそうです。しかしそれ以来、天然資源のない小さな都市国家ながら、シンガポールは商業と金融の世界的拠点として目覚ましい発展を遂げつづけ、今の富と繁栄に至ります。


このような紆余曲折を経て、あらゆる困難を乗り越えながら豊かな多民族・多宗教国家として成長してきたシンガポールでは、毎年国をあげて盛大に独立記念日が祝われます。朝から始まるナショナルデーパレードは、航空ショーそしてマリーナベイの花火でクライマックスを迎えます。マリーナベイ・サンズホテルにご宿泊のお客様は、近未来的なシンガポールの街並みを背景にしたダイナミックな花火をお部屋からお楽しみいただけるほか、ファミリーフレンドリーなカフェレストランからセレブリティ・シェフによる美食レストランなど、バラエティ豊かなレストランやバーからも特別なこの日をお楽しみいただけます。さらに、この特別な日のためのスペシャルメニューや、花火とともに楽しめるスペシャルディナーをご用意しているレストランも。華やかな一日の締めくくりに、ぜひ足をお運びください。

Marina Bay Sands on National Day

イベント情報:

2018年のナショナルデー開催地はザ・フロート@マリーナ・ベイ(The Float@Marina Bay) 。マリーナ・ベイ エリアの海上に設置された世界最大級の浮遊式ステージです。

当日は戦闘機およびヘリコプターによるシンガポール国旗掲揚などの航空ショーおよび花火が催されるため、マリーナエリア周辺の道路で交通規制が入り、車やタクシー、バスなどでの移動に通常以上に多くの時間を有する可能性があります。

開催日時: 2018年8月9日 午後6時~ (オープニングにパラシュート部隊降下) 
人気の航空ショーは午後6時50分辺りから
花火は午後7時30~8時、8時10分~30分頃
屋外でご覧になる場合には、ザ・ショップス アット マリーナベイ・サンズ1階のイベントプラザ、あるいはアートサイエンス・ミュージアム周辺がおススメです。