シンガポールの通貨・両替・チップなどについて(2)

海外旅行前に気になることと言えば、やはりお金にまつわること。シンガポールの通貨は勿論、現地での両替やチップの有無、公共交通機関の料金内訳など、慣れない土地で使い慣れない通貨を扱うのは不安がつきもの。そんな時のために、シンガポールの「お金」事情に関する便利ガイドをご用意しました。第2回は、海外旅行となると気になる「チップ」についてです。

シンガポールにチップの習慣はあるの?

シンガポールにおける通貨関連の質問で多いのが、シンガポールにチップの習慣はあるのか?というもの。元イギリス植民地だったこともあり、シンガポールにもチップの習慣があるのでは、と思う方も多いようです。ご安心ください。シンガポールには、日本同様チップの習慣はありません。もちろん、マリーナベイ・サンズ内のセレブリティシェフレストランやそのほかのお店でも、チップは一切無用です。

何故シンガポールにはチップの習慣がないの?

シンガポールでは、ホテルの宿泊や多くのレストランのメニューには、あらかじめ10%のサービス料金が加算されています。しかも、さらにGSTと呼ばれる7%の消費税が加算されるため、正味の支払い金額はメニューなどに表示されている金額に対して17%加算した金額になります。シンガポールのメニューなどで"S$100++"など、プラスのサインが金額の後ろに2つ付いて表記されているのは、「サービス料金(10%) + 消費税(75)」という意味になります。中には、チャンギ国際空港のように、チップの受け渡しが「禁止」されている場所もありますので気をつけて。


10%のサービス料金は支払わなければいけないの?

とはいえ、このサービス料金は消費税とは異なり、加算が義務付けられているわけではありません。実際、最近ではあえてサービス料金を加算しないレストランやカフェが増えて話題*1になっているほどです。というのも、名称こそ「サービス料金」"Service Charge" ですが、その追加料金が実際にサービスを提供したウェイターやウェイトレスたちのポケットに入るわけではないからです。つまり「サービス料金」イコール「良いサービスの保証」という訳ではないというのが実情です。しかし、メニューにサービス料金が加算されていることがあらかじめ明記されているレストランに入って注文した以上は、店のサービスに満足しなくても支払わなくてはなりません。


シンガポールでチップを渡す場合には?

基本、チップの慣習がないシンガポールですが、上記のようにサービス料金を加算していないホーカーやレストランや、ホテルで荷物を運んでくれたホテルのポーター、または部屋の掃除をしてくれるハウスキーピングなどに対しては例外的にチップを渡すことが奨励されています。ただし、あくまでも「心付け」ですので、チップをあげないとマナー違反ということにはなりません。また、上記のように支払った「サービス料金」がウェイターやウェイトレスのポケットに入るわけではないので、予想外に嬉しいサービスを受けた場合には、感謝の印としてぜひチップを渡したい、という場合もあるでしょう。そういう時には、サービス料金10%相当をお礼の言葉(シンプルに笑顔で"Thank you"で十分です)とともに相手に直接そっと手渡すのがスマートです。その際には、コインよりも最小紙幣である2ドル札以上を使うのがおすすめ。支払いの後に戻ってきたお釣りを "Please keep the change" (お釣りは取っておいてください)とそのまま渡すのもアリです。

参考資料:

"Do I have to pay the 10% service charge in restaurants?"by Singapore Legal Advice 

*1 "Here's a tip for good service" by The Straits Times