Gardens by the BayGardens by the Bay

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

シンガポールは、島全体の樹木や花の種類が多く、緑の公園や、自然保護区、花や木をふんだんに使った屋内外の装飾も多いことから、ガーデンシティとよく言われます。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのアイデアはここからきていることがお分かりになるでしょう。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのフラワー・ドームは、世界最大規模のガラス製温室で、ガラスの下には1.28ヘクタールの広大な敷地が広がり、色とりどりの花が咲き乱れています。シンガポールで人気のスポットです。
Garden by the Bay at Night - Supertrees

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイが際立っているのは、展示されている植物の種類や数の多さだけではありません。環境に配慮しながらガーデンを運営する包括的なサステナビリティの取り組みでも注目されています。ガーデンの構想や施工プロセスは、サステナビリティの理念に沿い、エネルギーや水が効率よく使用されるよう細心の注意を払いながら行われました。

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのそばを通る人は、誰でもスーパーツリーに気が付くはずです。11本のスーパーツリーには、環境的に持続可能な機能や、ライトアップ時に使用する太陽エネルギーを取り込むための太陽光電池が設置されています。また、いくつかのスーパーツリーは、温室の排気装置としても使用されています。

Conservatories in the Garden by the Bay
地中海地域と熱帯山地の気候を再現した2つの温室は、ガーデンズ最大の特徴のひとつです。冷却システムを用いてエネルギー消費量を30%削減するというサステナビリティの理念に沿って温室を設計していることから、植物だけでなく温室自体も非常に価値のあるものとなっています。特殊ガラスを採用し熱を抑えて植物に日光を与える、冷却温度を高く設定する、冷却する前に「フラワー・ドーム」内を除湿することでエネルギー消費量を抑えるなどのエネルギー削減対策を行っているほか、無害な排熱を利用してエネルギーを作り、電力への依存も低減しています。できる限り再生エネルギーを利用し、温室でのエネルギーの浪費を抑えるという目標が掲げられています。
Lake in Gardens by the Bay

ガーデンを散策していると、ドラゴンフライ・レイク(トンボの湖)とキングフィッシャー・レイク(カワセミの湖)が目につくでしょう。どちらもガーデン内に作られた人工の湖で、マリーナ貯水池の(国の貯水池)一部です。湖の水は、ガーデン内の散水に使用されるほか、湖自体が水性生物の生息地になっており、生物多様性を学ぶ優れた教材となっています。

エンジニアリングと運営にサステナビリティの観点を取り入れたガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、グリーンマークでプラチナ認定(非建物)を、同施設内のサテ・バイ・ザ・ベイは、ゴールド認定(建物)を受けています。しかし、その本当のインパクトは、訪れる多くの来園者に対し、保全やサステナビリティ、生物多様性について学ぶためのさまざまな機会を提供していることにあります。自然が与えてくれる最高のものに囲まれながら自然保護を学ぶ。これ以上によい方法があるでしょうか。