「これからの自然史博物館」


本展の最後は、大英自然史博物館に保存されているユニークで極めて貴重な展示品の数々、そして科学的な探究と発見の歴史をご覧ください。これらの標本は、現在も世界中のトップクラスの科学者たちの手によって積極的な研究が進められており、私たちの地球が直面している様々な課題を解決するためのヒントを示してくれています。これらのコレクションに秘められた過去のミステリーを解明することが、気候変動の影響の予測および緩和から天然資源のより効率的な管理まで、私たちの未来の可能性を切り開くうえで重要な意味を持っているのです。
  
At the exhibition:
Explore how science and technology constantly evolve and discover new aspects of the past in a fun interactive game.
見どころ 
ジャダライト
ジャダライト
セルビア
 
この鉱石は、映画『スーパーマン リターンズ』に登場する仮想鉱物クリプナイトの化学式に酷似した組織成分によって構成されています。ジャダライトは2006年に地質学者によって発見され、自然史博物館の科学者が分析した結果、ナトリウム、リチウム、ホウ素、珪酸塩、水酸化物という組織成分で構成されていることが解明されました。スーパーマンのスーパーパワーを完全に奪うのに足りないのは、フッ素のみです。

モルフォチョウ
モルフォチョウ
コロンビア、パナマ

鮮やかな色をしたこの蝶の翅は、非常に小さい透明な鱗でできています。この鱗がぶつかり合う際に光の干渉が起き、私たちの目に色として認識される表面の模様を作り出しています。着色や色素によって発色する多くの物質とは違い、この構造色は、色褪せることがありません。自然史博物館の科学者は、研究室でこの構造を持つ蝶の翅を育て、より環境に優しい着色製品を製造するために、この構造色の再現に取り組んでいます。



ラトローブ金塊(オーストラリア)
ラトローブ金塊
オーストラリア
  

非常に純度が高く、貴重なこの金塊は重さ717g。ひとつひとつの結晶が今なおそのままの姿を保っています。結晶は立方体と八面体の組み合わせで構成されており、なかには1cm以上の大きさの結晶もあります。金は柔らかく崩れやすいので、このように結晶質の構造を保った状態の金塊の発見は驚異的な出来事でした。この金塊はオーストラリアのマックルボー鉱山で発見されました。ビクトリア州の州知事だったチャールズ・ジョゼフ・ラトローブがこの鉱山を訪れていたときに発見されたので、その名をとって「ラトローブ金塊」と名付けられました。

ネアンデルタール人のゲノム
ネアンデルタール人のゲノム

   


現代の人類と古代の人類であるネアンデルタール人との間にはどのような違いがあるのでしょうか? 科学者たちはネアンデルタール人の女性のゲノムの完全な複製に成功し、その99%以上が現生人類の遺伝子と一致したのです。しかし、ゲノム情報によると、このネアンデルタール人の女性の両親が互いに遺伝的に近い関係にあったこと、ネアンデルタール人の間では近親交配が一般的であったことがわかりました。また、私たち現生人類とネアンデルタール人の進化の道筋が枝分かれした後に、現生人類の遺伝子のうち、脳の機能や神経システム、また言語に関連する遺伝子が微妙に変化したということもDNAから判明しました。 

マックス・プランク研究所(ドイツ、ライプツィヒ)から寄贈されたサンプル