他者との遭遇

進化し続ける最先端テクノロジーは、家族や友人、同僚、さらにはペットなど、「他者」との関わり方を変えつつあります。デバイスを通じて私たちが対話しているのは生命体、人工物、それともその2つの組み合わせでしょうか?「他者との遭遇」では、テクノロジーの進歩・発達による社会的関係性の変化をテーマとしています。

このセクションには、ロボット工学が支配する世界において母性がどのように進化するかをテーマとしているアディー・ワーゲンクットの挑発的なアートワーク、乳児が泣くと揺りかごを優しく揺らすロボットアームが展示されています。

このほかにも、シンガポールのルイ=フィリップ・デマーズ、ツァオ・フェイ、イブ・ジェリ、S.W.A.M.Pをはじめとする多彩なアーティストの作品も展示されています。

「エリアV5」は、シンガポールを拠点に活躍するルイ=フィリップ・デマーズの作品です。移動する来訪者の動きを追跡する、一対の眼が組み込まれたロボットの顔面が、壁に埋め込まれています。人間と似たような行動をするロボットに対して人が抱く感情的反応、「不気味の谷現象」を呼び起こすことをテーマにしています。ソーシャルロボティクスとAI(人工知能)の分野における最新研究では、眼の動きが言葉を用いない対話において大きな役割を果たすことが示唆されています。作品のタイトルは、動きを認識する際に主要な役割を果たすと考えられている大脳皮質の視覚野、V5から取られています。 
エリアV5、2009年~2010年
ルイ=フィリップ・デマーズ