ミュージアムの「The Deep」展 - Marina Bay Sandsミュージアムの「The Deep」展 - Marina Bay Sands

THE DEEP

「海の最深部に潜った人間より、月面を歩いた人間の方が多い」 – シンディ・リー・ヴァン・ドーヴァー博士


深海は地球最大の生命の宝庫ですが、人間にとってはまだほとんど未知の世界です。これまでのところ、海底面全体のわずか10パーセントしか地図にできていません。 「The Deep」では、細部にいたるまで完璧な保存状態の希少動物の展示を通じて深海に潜む神秘を明らかにします。うっとりするような写真や映像には、魅惑的な海洋動物、生きた化石、この世のものとは思えない優美な発光生物など、初めてカメラに収められたものが含まれています。 「The Deep」では東南アジア最大規模の深海生物コレクションを展示します。 これは、深海の現実を目の当たりにし、深海の生態系の脆さに対する社会の意識を喚起するまたとない機会です。

「The Deep」は、ほかではあまり見かけない真っ暗な中での展示で、観客に実際に深海の世界に降り立ったように感じさせます。 中程度の深さの海に棲む生物や、海底の生物など、ゾーンごとにテーマが分かれており、異なる深さの海が順に姿を現していきます。

詳細については、「The Deep」プレスリリースをご覧ください。
 

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The Deep - Grimpoteuthis種 (ダンボオクトパス)

展示されている深海生物について

「The Deep」でご紹介する標本は極めて希少なものです。 これらの繊細な生物はたいてい気づかれずに、トロール網で傷つけられてしまいます。 展示されている一部の深海生物は、潜水艇に搭載された科学試料採取装置や係留されたロボットによってあるがままの姿で捕獲されました。 全世界で実施されている海洋調査中にトロール網で慎重に捕獲されたものもあります。 アンコウ(「ファインディングニモ」で一躍有名になった深海魚)や、深海放散虫のコロニー全体の標本なども展示されています。

この展覧会で注目の深海生物をいくつかご紹介します。

ユビアシクラゲ
ザ・ビッグ・レッド
巨大で暗い色をした柔らかいボールのようなこの生物は、1993年にカリフォルニアのモントレー湾水族館研究所(MBARI)の研究チームにより発見されました。 ほかのクラゲとは大きく異なっていて、このクラゲのために新しい亜科が作られたほどです。亜科名Tiburoniinaeは、この生物を発見したロボットの名前Tiburonに由来します。 獲物を捕らえるために、普通のクラゲのように毒のある触手は使用しませんが、長い肉質の口腕があり、その数は固体によって4本から7本とばらつきがあります。  この生物の生態は依然としてほとんどわかっていません。

Careproctus longifilis
スレッドフィンスネイルフィッシュ
太古のおたまじゃくしに似たこの魚の顔には、センサーの働きをする大きな穴が並び、太古の昔から姿の変わらない生きた化石の楽園である深海の神秘を物語っているようです。 スレッドフィンスネイルフィッシュは奇妙な外見ですが、2億5000万年以上前の化石が見つかっているカブトガニやシーラカンスのような地球最古の歩哨生物ではありません。

Grimpoteuthis種
ダンボオクトパス
タコの仲間としてすでに14種のGrimpoteuthisの存在が発表されていますが、分類学的なこと以外は、まだほとんどが謎に包まれています。 海底で外套膜を広げて休んでいる姿がよく観察されています。 彼らは暗い海底でそんなに静かにじっとして、いったい何をしているのか。 誰にもわかりません。 


The Deep - 展示方法

展示方法

深海と浅海では、水圧や水温、塩分濃度、酸素濃度が異なるため、深海生物が海面付近で生き続けるのは不可能です。 そのため、深海生物は保存した状態でしか展示できません。 「The Deep」でご紹介するほとんどの生物が、この展覧会のために集められ、エタノールの代わりにホルマリンで保存されています。 ホルマリン保存は、色素の消失や本来の色の変色を抑えます。 また、体の構造に変化を起こす可能性のある細胞組織の脱水症状も防ぎます。 このようにして保存された状態の生物を、樹脂の壁に埋め込まれた見えない糸で液体の中に吊るし、自然な状態を演出しています。

ブルームアソシエーションのロゴ

ブルームアソシエーション 

ブルームは、2005年にクレール・ヌヴィアンが設立した非営利組織。環境問題について科学的媒体を使って説明し意識を喚起するプロセスを通じて、海洋と漁業に依存するのではなくそれらを保護する活動を行っています。そのために、相互に関連しつつも独立した科学的研究を行うと同時に、公の協議や制度的なプロセスに関与しています。 ブルームは、政治的および経済的な意思決定者だけでなく、一般市民も活動の対象としています。

詳細については、こちらをご覧ください。


クレール・ヌヴィアン、「The Deep」展のキュレーター

クレール・ヌヴィアン

クレール・ヌヴィアンは「The Deep」展のキュレーターであり、同名の書籍の著者でもあります。

2001年には、野生生物と科学をテーマにした映画監督として、米国カリフォルニアのモントレー湾水族館を訪れました。 そこで彼女が見たものは、最深4,000メートルの深海に棲む海洋生物の目を見張るような写真の数々を収めた映画でした。 この新しい世界に魅せられたヌヴィアンは、世界的に著名な人々に協力を要請して深海生物の写真や標本を収集し、史上初の膨大なアーカイブの作成に着手しました。その多くは一般に公開されたことのないものでした。

クレール・ヌヴィアンは、パリと香港を拠点とする非営利の保護活動組織ブルームの設立者であり会長でもあります。 彼女はブルームアソシエーションを、海洋の壊れやすい生態系の保護を推進し、破壊的な漁業活動を食い止める組織として発展させてきました。 彼女の研究および活動分野は、深海漁業とサメの消費習慣を中心としています。

2012年、クレール・ヌヴィアンは「Femmes en Or」アワードの「今年環境に貢献した女性」に選ばれました。 ヌヴィアンは、ブルームアソシエーションを立ち上げる前は、野生生物や科学をテーマにしたドキュメンタリー専門のテレビ番組制作およびジャーナリズムの仕事をしていました。 パリのソルボンヌ大学の歴史学の学士号を持っています。

ミュージアムの「The Deep」展
ミュージアムの「The Deep」展
ミュージアムの「The Deep」展
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